
<巨人5-2ヤクルト>◇25日◇東京ドーム
巨人のエース戸郷翔征投手(25)が、今季7度目の先発で、ついに初勝利を挙げた。直球で押しながら今季最多108球を投げ、6回7安打2失点(自責1)。野球人生最大の不振を乗り越える、価値ある白星を手にした。チームは今季初の5連勝とし、2位に浮上した。
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4月下旬、オリオールズ菅野智之投手(35)が、海の向こうからファーム調整中の戸郷に愛のあるゲキを送った。自ら電話をかけ「結果が出なくても、何も変えず、今までやってきたことをやればいいから」と進むべき道を示しながら、自らの経験を踏まえた上で伝えたいことがあった。
「逆境になった時、周りは『大丈夫だよ』とか『お前ならいけるよ』とか優しい言葉を掛けてくれるんです。心地がいいし、大丈夫と思いたいからそういう人の話を聞きがちだけど、そういう時に厳しい言葉を掛けてくれる人の存在、言葉を大切にしろよっていう話をした」
菅野に「巨人のエースとは」を教えてくれたのは、当時コーチだった村田真一氏だった。「どんなことも受け入れられるのが巨人のエース。相手のマーク、重圧、全てをはねのけていかなきゃ。そういう経験をしてからが本当の勝負になる」。受け継がれる「エース道」を授け、さらなる進化を期待した。【久保賢吾】