
<高校野球春季関東大会:専大松戸4-3横浜>◇24日◇準決勝◇ノーブルホームスタジアム水戸
センバツ王者の横浜(神奈川1位)が専大松戸(千葉1位)に敗れ、昨秋から続いていた公式戦連勝記録が「27」でストップした。専大松戸の3投手の内角攻めに対応できず、決定打を欠いた。専大松戸は優勝した21年以来4年ぶりの決勝進出。健大高崎(群馬1位)は山梨学院(山梨1位)に競り勝ち、2年ぶりの決勝進出を決めた。
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1点ビハインドで迎えた9回先頭。横浜の村田浩明監督(38)は、今大会、右太ももを痛め出場を見合わせていた主将の阿部葉太外野手(3年)に声をかけた。「いけるか?」。「いけます!」と即答した阿部葉は「まだ100%では走れない。でも、打つだけならできる」。四球を選び希望をつないだが、後続が打ち取られ連勝が途絶えた。
初めて流す悔し涙の味は忘れない。センバツ後、すぐに始まった神奈川大会に、県外の招待試合など、多忙な日々が続いた。今大会は、ケガの阿部葉に、エースで4番の奥村頼人投手(3年)もコンディションが整わず出場を控えた。村田監督は「試合をたくさんやらせてもらい成長ができた半面、コンディションが不十分で動きが重く、精度が落ちてきた」と分析した。
横浜には98年、エース松坂大輔を中心に44連勝した記録があるが、同監督は「(このチームは)記録よりも夏の甲子園に戻ることを選択し、この負けを糧に神奈川大会1本で準備したい」と、夏を見据えた。阿部葉は「連勝が途切れたのは悔しい。でも、全てが終わったわけではない。まだ夏がある」。その目には、甲子園春夏連覇への意欲があふれていた。【保坂淑子】