
<東都大学野球:青学大6-1国学院大>◇第5週第2日◇23日◇神宮
今季の青学大は5カード中、3カードが3戦目までもつれ込みながらも、2勝1敗で勝ちきり、全チームから勝ち点を奪う完全優勝を成し遂げた。10勝中、1点差ゲームは7試合、終盤の逆転勝利は3試合と、粘り強く勝ちにつなげた。
優勝を支えたのは投手陣だ。今季、チームの投手防御率はリーグ1位の1・20。昨秋の2・52から大きく上回った。中でも四死球は昨秋58に対し、今季は36と激減。投手陣をリードする渡部海捕手(3年=智弁和歌山)は「無駄な四死球でピンチを広げない。四球を出しても、すぐに気持ちを切り替えて次の打者に徹底してきました」と、振り返った。
5連覇へ向け、この冬は投手陣の整備に力を入れた。「コイツも、アイツもベンチに入れたい、と安藤監督を悩ませよう」と、声をかけあい、先発、中継ぎ、抑え、どのポジションでも投げられる準備をした。オープン戦ではいろいろなパターンを経験し、投手陣で共有。ブルペンでは「この場面がきたら自分がいく」と、役割が明確になり、肩を作り準備した。
第4週亜大戦、1敗で迎えた第2戦目で、リリーフエースの鈴木泰成投手(3年=東海大菅生)が初先発し完封勝利し、優勝の望みをつなげたのも「準備はしていた。先発でも抑えでもスタイルは変わらない。強気でいこうと思った」と、変わらぬ投球で圧倒した。第1戦、第3戦を任された中西聖輝投手(4年=智弁和歌山)は「もう落とせない“崖っぷち精神”。初戦とは違う底力が出た」と、エースらしく勝ちきった。
投手層の厚さも、チームを支えた。鈴木は「今季は誰がいっても粘り強く投げられていて、守備からリズムが作れている」と話すように、昨秋は4投手が登板したが、今春は6投手が登板。試合の流れを変え、守備からリズムを作り後半勝負に持ち込んだ。絶対的エースの中西の陰で、成長した投手陣が勝利を支えた。【保坂淑子】