
<日本ハム7-0オリックス>◇15日◇エスコンフィールド
“おめざめ郡司”だ。日本ハム郡司裕也捕手(27)が0-0の7回1死満塁で先制の左前2点適時打を放ち、勝利を呼び込んだ。4月22日楽天戦で最後に安打を放って以降、この日の第3打席目まで33打席連続無安打と苦しんでいたが、34打席ぶりの当たりが、貴重な決勝打となった。チームは2カード連続の勝ち越しで貯金を7に増やし、2位とのゲーム差を2に広げた。
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“むあんだ郡司”とはおさらばだ。同点の7回1死満塁、オリックス山岡の外角カットボールを思い切り振りぬいた。打球は三遊間を破る値千金の2点適時打に。4月22日から前日14日まで22日間、出場9試合、ヒットがなかった。「あそこで打てなかったら(2軍本拠地の)鎌ケ谷に行くぐらいの覚悟で打席に立ちました」。崖っぷちで、しっかり結果を出した。
強めの“おきよめ郡司”が効いた。昨季、細川に伊勢神宮で買ってきてもらったおきよめ用の塩スプレーを試合前にツープッシュするのがルーティンだったが「毎日かけているんですけど、今日は頭からかぶりました」。日々の習慣を“プチチェンジ”し、長いトンネルを抜け出した。
1本出たら“のりのり郡司”に変身だ。5点リードした8回1死二、三塁では中前2点適時打を放ち計4打点。「ノリノリでしたね。1本出ると2本目って簡単に出るなと。あんなに苦労して出なかった人が1本出たら抜けていきますから。不思議なものです。メンタルって大事だなと思います」と、しみじみ話した。
指揮官の思いに応えた“しんらい郡司”。新庄監督は「長かったでしょうね。でも僕、信じて今日も2番で。今日は4本ぐらい打ちそうかなっていう話はしてたんすよ。そしたら4打点やった(笑い)。そっちの方がいいね」と喜んだ。
“だいやく郡司”が役目を果たした。この日、4番野村が左脇腹痛で登録抹消され、代わりに一塁を任され決勝打。「みんなでカバーしなきゃいけないし、僕にとってはチャンス。ジェイ(野村)とかモーレ(レイエス)に頼ってる打線になってしまわないように。どこからでも点が入る打線を作っていくチャンスでもある。彼が戻ってきた時に最強の打線になるように」。“かくせい郡司”が、ここから自慢の勝負強さを発揮していく。【永野高輔】