
西武鳥越裕介1軍ヘッドコーチ(53)が11日、ロッテ戦(ベルーナドーム)を控えた練習でピンク色のノックバットを握った。
グリップの上部には黒で「Pink Ribbon」と記されている。
「母の日」のこの日、球界ではピンク色の道具を身につける選手も増えてきた。母への感謝と、乳がんの早期発見の重要性を啓発するピンクリボン運動への思いが込められている。
鳥越氏は活発にピンクリボン運動に携わっている1人だ。「早く見つかれば治る確率の高い病気であることを知られていない。それを多くの人に知ってもらいたいというか、だいぶ知られてきた感じはしますけど」と話す。
08年、ソフトバンクの2軍コーチ時代に妻の万美子さんを乳がんで亡くした。「自分は当時、無知でした」と悔やむ。早く治る確率が高いからこそ、検診を。「だから、女性だけではなく男性の方のちょっと意識も高めてもらいたいというのはあります」と球界関係者やファンにも呼びかけてきた。
もう15年以上、活動を続けている。「もう何年にもなるんで『検診で見つかって助かりました』っていう人がいた時はうれしかったし、良かったなって思うし。『これで助かりました。ありがとうございました』って言ってもらえるのもおこがましいんですけど、本当に良かったなっていうのはすごく思うんで」と思いを口にする。
昨オフに西武ヘッドコーチに就任した。「新しいチームに来たので、もちろんチームメートの意識も変わることによって、また発信力も変わってくると思うので」。
乳がんは検診で早期発見できれば、治る確率が高くなる-。
所沢でも、このとても大事な発信を続けていく。【金子真仁】