
<オリックス3-7日本ハム>◇6日◇京セラドーム大阪
思い出の地で“魚雷1号”をかっ飛ばした。
3試合ぶりスタメン復帰の日本ハム清宮幸太郎内野手(25)が2点リードの6回無死一塁、この日から使用した「魚雷(トルピード)バット」で3号2ランを放った。セ・リーグでは中日木下が5日に魚雷バット国内1号を放つも、パ・リーグは初。プロ1号を放った京セラドーム大阪で、2年ぶりに野村、万波とアーチで共演し、首位オリックスとのゲーム差を1に縮めた。
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清宮幸が新バットで新たな1歩を踏み出した。2点リードの6回無死一塁、フルカウントからオリックス山崎の内角高めストレートを捉え、右翼スタンドに運んだ。5球目に同じような高さのストレートを空振りし6球目をズドン。「ああいう空振りをしていたので、もう1球来るかなと。狙い通りです」。隙を見せ誘い込み、ドンピシャではじき返すクレバーな1発に「球場の雰囲気もチームの雰囲気も変わる。ホームランは正義だな」と、小粋なフレーズで喜びを表現した。
この日から話題の「魚雷バット」を使用。前日5日には手元にあったが、打撃練習で使うのを忘れていた。先端が細く、魚雷やボウリングのピンのような形状が特徴だ。「バットがめっちゃ出てきます。それが嫌な人は合わないんじゃないですか」。今までとは「重さも長さも、打つポイントも同じ」。重心がやや手前に来ていることが自身には好感触で「気持ち新たにいけて良かったです」と振り返った。
3日に守備のミスで失点したこともあり、前日5日まで2戦連続スタメンを外された。「めっちゃ悔しかった。でも落ち込んでいてもしょうがないので次、次と考えていました」。2回無死二塁では左中間に先制の適時二塁打。新庄監督は「進塁打のサインで、方向的には進塁打は打ってないけど、進塁はさせているから…合格」と及第点を与えた。
7年前にプロ1号を放った京セラドーム大阪で、先制打含む2安打3打点の荒稼ぎだ。「大阪には父親の実家もありますし、今日も死んだおじいちゃんが、ヒュッって押してくれたかもしれないですね」。後輩の野村(ミドルネームはジェームス)、万波との「KJM砲」も23年4月9日、同じ舞台でのオリックス戦以来2年ぶり。「お前らも打つのか、と。うれしいことですけど、もっと3人で打てる試合をたくさんつくれれば」。大型連休の最終日。“長男”清宮幸が、ここから畳みかけていく。【永野高輔】