
<日本ハム3-2西武>◇4日◇エスコンフィールド
日本ハムのトッププロスペクト右腕が、チームに新風を吹き込んだ。高卒4年目の達孝太投手(21)が西武戦で6回4安打1失点と快投。今季初登板で勝利を挙げた。「狙って三振を2つ取れたのは(自分自身で)成長を感じました」。2点リードの5回1死二塁の場面。「二塁にいたんで、やっぱ三振しかない」と直球とフォークのコンビネーションで古賀悠と滝沢を連続三振。勝利投手の権利を自力でつかんで「うれしかった」と笑顔を見せた。
いつも自信満々な達だが、試合後は意外な事実を告白した。「実はファームでここ2試合ぐらいはフォークで全然空振りが取れていなくて、おのずと三振も取れていなかった。不安な気持ちだった」。この日も4回まで2三振にとどまったが、勝負どころで「ちょっと気持ちを入れて腕を振ったら感覚がよくて空振りが取れた」。天理(奈良)時代から回転数などを測る自前のラプソードを使用するなど理論派の21歳も、最後は気持ちで技術を高めて白星をたぐり寄せた。
新庄監督も「めちゃくちゃ成長してますよ。ランナーがいない時でもクイックしてくれてる。あれはすごく僕、大好き」と勝つための工夫をする姿に喜びを感じた。達は「去年は(新庄監督から)言われたからってやらなかったですけど、今年はやっていいのかなっていうフェーズに入ってきたので」とニヤリ。過去3年で体も技術も大きく成長させ、1軍で勝ちまくる段階に来たことを証明する通算2勝目。当初の予定通りに5日に登録抹消となるが、指揮官は「すぐ見たい」。今後の先発ローテに割って入ることを期待した。【木下大輔】
▽日本ハム加藤投手コーチ(達に)「内容も結果も非常にいいものを見せてもらった。他の先発ローテ陣に、いい意味でプレッシャーがかかったと思う。達の出現で(先発ローテも)考えていたものが真っ白になった(笑い)」