
<明治安田J1:G大阪4-0湘南>◇3日◇第14節◇パナスタ
ガンバ大阪FW宇佐美貴史(32)がまた1歩全開の状態に近づいた。
29日の京都サンガF.C.戦に続き、この日の湘南ベルマーレ戦に先発。与えられたトップ下での役割にとどまらず、攻守に幅広い貢献を見せた。前半10分にはゴール前右45度の位置で、足裏コントロールから強烈な無回転ミドルで好調さを感じさせると、同13分には自らの動きでゴールを呼び込んだ。左サイドでMFファン・アラーノ(28)がボールを受けるのを見ると、中央から左へ斜めにスプリント。相手最終ラインをギリギリで突破すると、受けたボールを持ち込んで右足でシュート。GKがかろうじて弾いたボールを、DF岸本武流(27)がスライディングで押し込んだ。
その後も絶妙な位置取りでボールを引き出し、湘南守備陣を翻弄(ほんろう)。同33分には右サイドバック半田陸(23)から鋭く入ったパスを、回転しながら右足ヒールでFWデニス・ヒュメット(28)へ超絶スルーパス。アイデアと技術が詰め込まれたプレーで攻撃をけん引した。
04年10月以来となる前半だけで4ゴールを決めた一戦には「危なげなくっていう感じはしたと思いますし、前半で4-0っていうのはダニになってからなかった。改善できる点はあるけど、そういったところをしっかり突き詰めれば、もっとクオリティーは上がっていく。もっといいサッカー、もっといいチームになっていけると思う」と手応えをつかんだ。同時に、自身のパフォーマンス向上も確認することができた。「だいぶ良くなってきていると思う。足踏みもすごくあったけど、ここ2試合では結果も出ている。ただ、まだまだ良くなるとは思う。上がっていきそうな感じもありますし、始まったなっていう感じもする」。2戦連続で得点にも絡み、期待に応える仕事をした2試合で前進を感じた。
次節浦和レッズ戦(埼スタ)が行われる6日は、自身33歳の誕生日。1年前の大阪ダービーでバースデー弾を決めたエースは「毎試合狙っていきたいと思っている」。昨季と同じように、自らの祝砲でチームを勢いづけることをイメージする。【永田淳】