
<明治安田J1:G大阪2-1京都>◇29日◇第13節◇パナスタ
ガンバ大阪の満田誠(25)が、加入後初のボランチ出場でチームを支えた。
MFネタ・ラビ(28)とMF美藤倫(23)を欠いたことで、当初「ボランチは考えていない」としていたダニエル・ポヤトス監督(46)が、満田のボランチ起用を決断。鈴木徳真(28)とのダブルボランチを組むことになった。
前半3分には前線に顔を出したかと思えば、その後は危険な位置を察知して相手攻撃の芽をつむ頭脳的な動き。前半10分には、右アウトサイドのパスをFW山下諒也(27)につないでカウンターの起点となり、FW宇佐美貴史(32)の先制点につなげた。「前半早い時間帯は、セカンドボール拾いながらいい展開できていた。相手も前に来ていた分、ショートカウンターは効くと思ってたから、少ないタッチで前につけようっていうのは意識してやっていた」。確かな技術と戦術眼が、普段より1列下がったポジションでも光った。
「本音を言えば、前(のポジション)で出たいっていう気持ちはある」としながらも、与えられた位置で全力を尽くした。「役割は変わってくるけど、それがチームの勝利に必要なことであれば、誰かがやらなきゃいけない。それが今回自分だったので、それを勝利につなげられたのは良かった」。持ち味も生かしながらのフル出場に胸を張った。
この試合では、流通経大でともに戦った京都DF宮本優太(25)、DF佐藤響(25)との同期対決も実現。大学時代にボランチや右サイドバックを務めていた宮本のセンターバックでのプレーについて聞くと、複数ポジションで貢献する自身にも通じる考えを口にした。「誰がどのポジションで出るかというのはわからないもの。そのポジションで自分の最大限の良さが発揮できれば、そこがその人にとってのいいポジションだということになる。彼は今センターバックだけど、これから先どのポジションでやるかはわからない。与えられた役割をこなしながら切磋琢磨(せっさたくま)していければいい」。準備期間2日でのボランチ起用でも高いパフォーマンスを発揮することができたのは、こういった考えを持つ選手だからこそ。どのポジションでも期待以上の仕事をこなす男は、今後もチームの力になるに違いない。【永田淳】