
<明治安田J1:G大阪2-1京都>◇29日◇第13節◇パナスタ
ガンバ大阪FW宇佐美貴史(32)が、2得点に絡む仕事ぶりで復調を印象づけた。
前半10分、縦に早い攻撃で右サイドをFWデニス・ヒュメット(28)が前進すると、宇佐美は加速しながら中央に走り込み、両手をあげてクロスを呼び込んだ。これを見たヒュメットからの鋭いクロスを右足で合わせてゴール左へ。「しっかり面で捉えて、枠に入れられるように」と放たれたボレーは、左ポストに当たってゴールに吸い込まれた。
同27分には助っ人ヒュメットの来日初ゴールをお膳立て。カウンターのチャンスに、ボールキープしたヒュメットからの落としを受けて前進。京都DF須貝英大が攻め上がって生まれた左サイドの広大なスペースにパスを送ると、これをヒュメットが持ち込んでチーム2点目を決めた。
今季は負傷により出場と欠場を繰り返し、この日は5試合ぶりの先発。攻撃では鋭いターンで相手を置き去りにし、守備では自陣深い位置まで戻って対応するなど昨季のプレーに近づいてきたことを感じさせ、このパフォーマンスには宇佐美自身も完全復調が迫っていることを実感した。「感覚的にはすごくいい感じのものが戻ってきているなと思う。ここからまたけがしないように注意はしないといけないけど、コンディションというか、前に出ていくパワーはすごくいいものを感じた。体のコンディションが良くなっていけば、自ずとプレーで表現できる部分も多くなっていく。そうすればメンタル的な部分も上がって、さらにプレーの充実につながっていくと思うし、チームの助けになれると思う」。エースの状態が上向きなのは、G大阪にとってこれ以上ないポジティブ要素となる。
それでも自身とチームの現状に満足しているわけではない。「後半は奪ってから1本目のパスや、シュートまで行けそうなところのクオリティーがすごく低かった。結果は出たけど、本当に力で上回れたっていう感覚は個人的にはあまりない」。求めるものが高いからこそ、この1勝で喜んではいられない。エースはここからさらに状態を上げ、チームを高みに導いていく覚悟で戦っていく。【永田淳】