台湾からやってきた怪物が、うれしい来日初勝利だ！ 日本ハム古林睿煬（グーリン・ルェヤン）投手（24）がソフトバンク戦（みずほペイペイドーム）で7回5安打2失点、10奪三振の快投でNPB1勝目を挙げた。故郷の期待を背負って海を渡ってきた「火球男」の歴史的な1勝でチームも今季3度目の同一カード3連勝。貯金を伸ばしたい5月戦線は幸先のいいスタートとなった。
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古林睿煬は、とびっきりの笑顔で言った。ヒーローインタビューで今の気持ちを問われると日本語で「良かった！」。ファンも笑顔にさせる“グーリン・スマイル”に、新庄監督もほれ込む性格の良さがにじみ出た。2度目の先発登板で手にしたNPB初勝利に感慨深く、言った。
古林睿煬 すごい意義のある1勝だと思います。台湾のピッチャーが日本に来るのはあまり多くない中で1勝できた。自分にとっても台湾にとってもすごい大きいと思う。
昨季の台湾プロ野球MVP右腕は、故郷台湾のファンから「台南から世界へ」というエールを送られて、日本にやってきた。台南は昨季まで所属した統一ライオンズの本拠地のこと。そんな期待を一身に背負って飛び込んだ新天地には夫人も同行。この日も現地で見守ってくれていた最愛の妻に「自分がしっかり野球に取り組めるようにサポートしてくれて、ありがとう」と感謝。来日初勝利のメモリアルボールは「奥さんに渡したい」と笑顔だ。
初回こそ失点したが、2回以降は魅力いっぱいの投球だった。新庄監督がほれ込むのは性格だけではない。
新庄監督 左足が付いてからワンテンポ遅れて、手が出てくるから差し込まれるんですよね。ちょっとした遅れ、あれはめちゃくちゃ武器。練習してできるもんじゃない。生まれ持っての才能だからね。
天性の才能を爆発させて直球で8三振、カーブで2三振を奪った古林睿煬だが、「まだ改善できる課題はたくさんある」と自身の伸びしろに自信あり。指揮官も「勝っていけばいくほど、いいピッチャーにまた成長していくタイプだと思う。楽しみで仕方ない」。日本一へ向かう大航海に、頼もしい乗組員が加わった。【木下大輔】
