
<ソフトバンク2-3日本ハム>◇1日◇みずほペイペイドーム
ソフトバンク上沢直之投手(31)が古巣日本ハム戦に初登板し、7回3安打3失点(自責2)で今季2敗目を喫した。2-2の7回1死で万波に痛恨の決勝ソロを浴び、マウンド上で膝から崩れ落ちた。主力の相次ぐ故障離脱で打線は反発力もなく今季ワーストタイの5連敗。ワースト更新の借金「7」は最下位に沈んだ08年の王ダイエー最終年以来の屈辱。小久保ホークスが勝てない。
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上沢が投じた114球目だった。フルカウントから6球目、スライダーが真ん中に入った。新庄ハムの若き大砲、万波は逃してくれなかった。打球が上がり、上沢はすぐに目で追う。白球は左翼テラスに着弾した。日本ハムファンは天に指を突き上げた。大歓声と悲鳴がみずほペイペイドームを包む。上沢はがっくりとうなだれ、マウンドに膝をついた。
「ホームランだけは避けなければいけない場面だった」。警戒しながらも打たれた。ポスティングシステムを利用してのメジャー挑戦を1年で諦め、昨オフは日本ハムではなくソフトバンク移籍を選んだ。その古巣とレギュラーシーズン初対決。試合前は日本ハムファンからブーイングを受けた。異様な空気のなか4回まで無安打投球。7回3安打3失点(自責2)は決して責められないが、主力に離脱が相次ぐチームにとっては3失点が響いた。「7回の投球が本当に悔しい。次はやり返したい」。上沢は今季2敗目に唇をかんだ。
“超緊急事態”を救えなかった。試合前に遊撃レギュラーの今宮が「右前腕屈筋群の筋挫傷」で登録抹消され、不動の1番周東は「右腓骨(ひこつ)骨折」と診断された。柳田、近藤、正木に加え、昨季のリーグ優勝に貢献した主力野手が続々と離脱。異常事態で新加入右腕に連敗ストップを託したが実らなかった。同一カード3連敗は今季3度目でいずれも本拠地。みずほペイペイドームでは2勝11敗1分、勝率1割5分4厘という惨事だ。
ワーストを更新し続ける借金「7」は、最下位に沈んだ08年の王ダイエー最終年以来の屈辱。小久保監督は「何回も言いますけど、今いるメンバーでやるしかない」と声をふり絞った。たとえ故障者が多数いても、みずほペイペイドームには多くのファンが勝利を期待して足を運ぶ。勝利が欲しい。【只松憲】