
<西武7-1楽天>◇29日◇ベルーナドーム
西武高橋光成投手(28)が597日ぶりに勝利投手になった。
勝利の瞬間、笑みがはじけた。でも「もう、訳わかんない感情になりました。久々すぎて」と明かす。何人もとハイタッチし、何人もと抱き合った。
今季は前回登板まで0勝2敗、昨季は0勝11敗。最後の勝利は23年9月10日の日本ハム戦(エスコンフィールド)となり、そこからこの日の勝利まで1966球を要した。
高橋はお立ち台で「お待たせしました、すいません」と笑いながら叫んだ。でも危なかった。
「試合後はもうずっと泣きそうだったんですけど、こらえてましたね。チームメートからハイタッチしてもらったりだとか、ファンの皆さんからの声援聞いた時に危なかったですね。いつ泣いてもおかしくなかったです」
ようやくトンネルを抜けた。「こういうことになって得るものってすごくたくさんあって、そういうのを感じられたりだとか、この経験っていうのは今後の野球人生だけじゃなくて自分の人生にも生きてくると思うので。本当に今日の勝利は大きいです」。
勝たせられずにともに悩み抜いた捕手陣にも言葉を寄せた。
「本当に迷惑をかけたと思うんですけど、でもこれが絶対生きてくると思う。生きてくるっていうか、こういう経験ってなかなかできないです。お互い。それはポジティブに捉えて、今後の野球人生につなげていけたらなって。お互い、そう思っていると思います」
長かった。ようやく光が差した。【金子真仁】