
レアル・マドリードは25日に公式声明を出し、国王杯決勝不参加の可能性を伝える報道を完全否定した。
Rマドリードは26日にセビリアで開催される国王杯決勝でバルセロナと対戦する。この大一番を目前に控え、主審を務めるデ・ブルゴス・ベンゴエチェアがこれまでRマドリードに対して不利な判定をしてきた動画を、クラブの公式チャンネル「レアル・マドリードTV」で放映した。その際、バルセロナに有利な笛を吹いてきたことも併せて伝えている。
デ・ブルゴス・ベンゴエチェアは国王杯決勝前日に出席した記者会見で、その動画について質問された際、「息子が学校に行って、“お前の父親は泥棒だ”と言われ、泣いて帰ってくるととても辛い。私の場合は息子に、父親は正直者で他のスポーツ選手と同じように間違いを犯すということを教えようとしている。私がレフェリーを辞めてここを去る時、息子には父親がレフェリーであったことに誇りを感じてほしい」と、涙を浮かべながら訴えた。
一方、国王杯決勝でVARを担当するゴンサレス・フエンテスは、「自分たちが置かれている状況により、審判員はおそらくこれまで以上に団結していると思う。我々はこの後、行動を起こすつもりだ。今起きていることを許し続けるつもりはない。数日後には分かるだろう。我々は歴史をつくるつもりだし、これまで我慢してきたことを我慢し続けるつもりはない。ストを起こすかって?あなたたちに近々、何らかのニュースを伝えることになるだろう」と、Rマドリードに対して措置を講じることを示唆した。
Rマドリードはこの会見を受けて公式声明を出し、「審判団が行った公の場での発言は容認できるものではない」、「審判団がレアル・マドリードに対する明白な敵意を改めて示したものと言える」などと非難。そして抗議の意味を込め、試合前日に予定されていたアンチェロッティ監督とモドリッチの会見および試合会場での練習をすべて中止した。
さらにスペイン各紙によると、Rマドリードは国王杯決勝でデ・ブルゴス・ベンゴエチェアが公平なジャッジを下すことができないと判断し、スペインサッカー連盟に審判団の変更を求めたとのことだ。それが受け入れられない場合、不参加を検討していると報じられた。
Rマドリードはその報道を受け、「明日の決勝を辞退することなどまったく考えていない」と2回目の公式声明を出して完全否定した。これにより国王杯決勝は問題なく開催され、Rマドリードは2季ぶり通算21回目、バルセロナは4季ぶり通算32回目の優勝を目指し、今季3度目のクラシコで対戦することになった。(高橋智行通信員)