
<楽天6-3ソフトバンク>◇26日◇楽天モバイルパーク
ソフトバンクの主砲、山川穂高内野手(33)が責任を痛感した。敵地・仙台で楽天に完敗し、連勝が3でストップ。1日で再び最下位に転落した。4番は2三振を含む4打数無安打。ここ10試合で36打数2安打、1打点、打率5分6厘の低空飛行が続く。「自分が打っていればと、感情的になる」と中心選手としての心境を明かした上で「このままだとダメ。しっかりやりたい」と、チーム浮上へ不振脱出を誓った。
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大きな背中に悔しさを背負い込んで、山川は冷静に話した。
「今日はつかまえられたかな、という球は何球かありました。でも、つかまえられなかった時点で、もう過去。そこがもどかしいし、負けてしまうと自分が打っていればというのは当然、感情的にあります」
小久保ホークス100勝を達成した前夜(25日)は、緊迫した投手戦を制した。引き分けを挟んで3連勝を飾り、最下位を脱出。チーム浮上への大きな起点となる白星だったが「4番打者」は4打数ノーヒット。2三振を喫していた。チームに勢いをつけるには主砲の目覚めは絶対条件。まだまだ覚醒しなかった。この日も第1打席で楽天先発の内の前に空振り三振に倒れると、2三振を含め4打数無安打。3点差まで追い上げた9回は2死一、三塁で3番栗原が左飛。ネクストで控える山川に打席は回らず、試合は終わった。「(打席が)回ってきたら思い切り振ってやろうと思っていました」。一発回答の機会が目の前でついえ、山川は唇をかんだ。前日(25日)の8回1死二塁の第4打席は、3番栗原が申告敬遠。「山川勝負」で二飛に倒れていた。さらに悔しさも募ったはずだ。
ここ10試合は36打数2安打1打点、打率5分6厘。チーム戦績も3勝6敗(1分け)と、黒星が先行。その前の6試合でチームは5連勝(1分けを挟む)。山川は6戦で4本塁打を放ち、25打数13安打、11打点。脅威の打率5割2分。まさに急降下だが、小久保監督は「(山川は)本来の姿にはほど遠い。でも復調するしかない。自分の力で」と4番の奮起を見守る。
近藤、柳田が故障離脱し、山川にかかる責任は重みを増している。「しっかり練習と思考で取り戻していくしかない。まだ4月とはいえ、このままじゃダメなので」。再び最下位に転落したチームの活性化に、主砲の再起は欠かせない。【佐竹英治】