
<阪神4-1巨人>◇25日◇甲子園
MVPの活躍再び! 阪神村上頌樹投手(26)が、8回を6安打1失点にまとめ、今季4勝目を挙げた。リーグ単独トップに立つ快投だった。
若き虎の“精密機械”だ。初回からストライク先行の場面も多く、3回2死まで出塁を許さず、無四死球のまま8回まで投げ切り、守護神岩崎に託した。MVPでリーグ優勝、日本一に貢献した23年は与四球率がリーグ2位の0・94など、武器としている制球力の高さが光った。昨季は不本意なシーズンに終わった右腕が、本来の姿を取り戻した。
「フォアボールは何も起きない。無駄なランナー。ストライクを投げられたのでよかった」
320勝のレジェンドOB小山正明さんを悼み、喪章をつけて投球。無四球試合は通算73試合の歴代2位で「精密機械」と呼ばれていたレジェンド右腕にささげるように、無四球で抑えた。
巨人キラーぶりも発揮した。今季も4月4日の東京ドームでの試合から2連勝。通算も3勝負けなしで防御率0・77と好相性を誇っている。「いいイメージでは入れている。岡本さんにしっかり投げられているのがいいんじゃないかな」。この日も、相手4番の智弁学園の2年上の先輩に対して、三ゴロで1打点は許したが、3打数無安打に抑えた。
今季初の甲子園での伝統の一戦で快勝を運び、首位奪回にも大貢献した。開幕投手を務めてカード頭の金曜日で回り、堂々の4勝1敗。「頭をとれたのでよかった」。これからもチームを勢いづける。【塚本光】