
プロ野球でともに歴代3位の通算320勝、3159奪三振を記録し、セ・パ両リーグで100勝を達成した投手で、阪神タイガース62年の優勝に貢献した小山正明(こやま・まさあき)さんが死去していたことが24日、分かった。90歳。兵庫県高砂市出身。
小山さんは53年、高砂高から阪神にテスト入団。「針の穴を通す」「精密機械」と評された抜群の制球力、また「打てない」と恐れられたパームボールを武器にエースとして君臨した。59年6月25日の天覧試合(巨人戦)にも先発。62年には13完封を記録するなど、村山実との両輪でリーグ優勝へとけん引した。
64年に大毎の主軸だった山内一弘と、大打者-大投手の交換トレードで東京(現ロッテ)へ移籍し、「世紀のトレード」といわれた。パ・リーグ1年目で30勝を挙げ最多勝、球団がロッテになってからも70年に優勝を経験した。73年に再びセ・リーグ(大洋)に移り、その年に引退。通算856試合に登板し、歴代3位の320勝(232敗)、歴代3位の3159奪三振を誇る。セ・リーグ(阪神、大洋)で180勝、パ(東京、ロッテ)140勝と、現在でもプロ野球ただ1人の両リーグ3ケタ勝利投手となっている。
引退後は阪神投手コーチを3度、西武、ダイエーのコーチなどを務め、プロ野球ファンには朝日放送、サンテレビなどでソフトな語り口の野球解説者としてなじみがあった。2001年、野球殿堂入り。
◆小山正明(こやま・まさあき)1934年(昭9)7月28日生まれ、兵庫県高砂市出身。53年に高砂高から阪神にテスト入団、62年にはエースとして優勝に貢献し、沢村賞に輝いた。阪神(53~63年)東京(64~68年)ロッテ(69~72年)大洋(73年)と実働21年。通算856試合に登板、320勝(歴代3位)232敗で防御率2・45。
62年に最高勝率と最多奪三振、64年に最多勝のタイトルに輝く。無四球試合73は歴代2位、完封勝利74は同3位。引退後は阪神、西武、ダイエーコーチを歴任。現役時代のサイズは183センチ、73キロ。右投げ右打ち。