
<巨人8-1中日>◇22日◇東京ドーム
打撃3部門を“三角食べ”でバランス良くほおばった。巨人岡本和真内野手(28)が先制打&中押し2ランでセ界のトップを捉えた。2回1死二、三塁から中前に2点適時打。3回2死一塁からは7号2ランで中日を圧倒した。7本塁打は阪神佐藤輝と並びキング、自己最速の20打点は単独トップ、打率3割5分4厘は首位打者の広島小園に6厘差。バランス良く高水準をキープし“ほぼ3冠”を突き進む。チームはカード初戦で先勝し、首位広島へ0・5ゲーム差に迫った。
◇ ◇ ◇
沸いた。岡本の一振りに、東京ドームに2つの歓声が入り交じった。3回、中日マラーの変化球をファウルで粘った9球目。主砲が放った左翼スタンドに刺さるような7号2ランの興奮に、食の喜びも重なった。「今日からなんですか。そういうタイミングで打てて良かった」と打った本人もニッコリ。
理由は「春のアゲアゲ←←ポテト&から揚げ祭り~特大ホームランを添えて~」が開催され、5回裏までに巨人選手がホームランを打った場合、から揚げとポテトの増量が実施されていたから。打球速度171キロの一直線弾で、ファンの胃袋まで「アゲアゲ」にしてみせた。
初回から打撃も食欲旺盛だった。1死二、三塁から初球の変化球を捉えて中前に運ぶ2点適時打で先制。「みんながいい形でつないでくれたチャンスで打ててよかったです」と、立ち上がりから連続四球と制球に苦しむ201センチの元メジャーリーガー左腕の出はなをくじいた。
この日の4打点で早くもリーグトップの20打点に乗せた。4月22日での到達は18年の4月25日を3日上回り、試合数でもコロナ禍の影響で6月開幕だった20年の20試合を除けば、21試合目は最速となった。同じくトップの本塁打に加え、打率も3割5分4厘に上昇。この日試合がなかった広島小園(3割6分)に接近し、3冠も射程圏に置いた。
際立つのは打球をコンタクトするうまさ。今季はここまで92打席で三振は12。昨季に比べて三振率を低く保ち続けている。ボールをコンタクトする意識を問われると「いまはまだ始まったばかりなので。まだまだこれから長い。少しでも良い状態、良い形で1試合ずつ全力で戦えたら」と手応えも感じさせた。阿部監督も「むきになってない。インサイド放られても冷静にいけている」と見る。
3冠に近づくが、「3」で沸かせたのは昨年8月だった。試合後のお立ち台でインタビュアーの子どもに「ご飯をいっぱい食べるには」と質問され「三角食べ。おかず、ご飯、みそ汁で回す。偏って食べない」と力強く勧め、球場を爆笑させた。この日、あらためて三角食べのススメを語ると「(から揚げに)それ(ご飯とみそ汁)もつけておいて欲しいなあ。東京ドームに言っておいて下さい」とおどけた。偏りないバランス良い打撃で、ファンの心も食欲も満たしていく。【阿部健吾】
▼岡本が7号2ランを含む4打点。3回の本塁打はカウント3-2からの9球目を打った。岡本は18年8月1日DeNA戦と同年10月9日阪神戦で8球目を本塁打しているが、9球以上粘って打った1発はプロ入り初めてだ。今季のカウント別本塁打を見ると、0ストライク2本、1ストライク1本、2ストライク4本と、2ストライク後の1発が目立つ。
セ打撃上位(22日現在)
打率
(1)小園(広).360
(2)岡本(巨).354
(3)吉川(巨).337
本塁打
(1)岡本(巨)7
(1)佐藤輝(神)7
(3)近本(神)3
(3)キャベッジ(巨)3
(3)牧(D)3
打点
(1)岡本(巨)20
(2)佐藤輝(神)18
(3)末包(広)16
安打
(1)吉川(巨)29
(2)岡本(巨)28
(3)小園(広)27
出塁率
(1)岡本(巨).435
(2)小園(広).429
(3)前川(神).391
長打率
(1)佐藤輝(神).710
(2)岡本(巨).709
(3)末包(広).508
死球
(1)岡本(巨)3
(1)キャベッジ(巨)3
(3)会沢(広)ら4人 2
塁打
(1)岡本(巨)56
(2)佐藤輝(神)49
(3)牧(D)38
OPS
(1)岡本(巨)1.144
(2)佐藤輝(神)1.057
(3)小園(広).895