
<UEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)>◇15日(日本時間16日)◇準々決勝第2戦◇2試合◇ドルトムント(ドイツ)ほか
10大会ぶりの優勝を狙うバルセロナ(スペイン)が、今季就任したドイツ人フリック監督(60)の下、6季ぶりに準決勝に進出した。アウェーでドルトムント(ドイツ)に1-3で敗れたが、2戦合計5-3で勝ち上がった。初優勝を目指すパリ・サンジェルマン(フランス)は敵地でアストンビラ(イングランド)に2-3で逆転負けしたが、合計5-4で2大会連続ベスト4となった。
バルセロナが厳格なドイツ人指揮官の下、メッシ退団後初の4強入りを決めた。FWギラシに敵地でハットトリックを許し、オウンゴールの1点にとどまったが、フル稼働だった主力のMFペドリを後半途中まで温存しながら2戦合計で2点差をつけて勝ち上がった。今季就任のフリック監督は「次に進むことが重要だ」と強調した。
圧倒的な攻撃力で6季ぶりの準決勝進出を果たした。今大会は12試合で最多37得点。エースの36歳FWレバンドフスキが11点を挙げ、フリック監督によって左寄りにコンバートされたFWラフィーニャも12得点をマークし、ランキング首位の7アシスト。右ウイングは17歳FWヤマルが台頭し、そこを主戦場にしていた28歳のブラジル代表FWは今夏の放出候補にもなっていたが、新たな指揮官の手によって復活し「レベルの高い仲間とプレーできて楽しい」と充実の時を過ごす。
フリック監督はエースの決定力とウイング2人のスピードを生かすため、伝統のパスサッカーには固執せず、19-20年のCLを制したバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)時代と同じくハイライン、ハイプレスを採用。「我々の哲学の一部」と練習でも守備に多くの時間を費やし、カウンターに磨きをかける。
ただ、クラブは財政問題を抱え、チーム人件費の総額の上限を定めるリーグ規定に抵触。昨夏に加入したFWオルモらの登録が認められなくなる事態にも発展した。それでも指揮官は「チームは一丸になっている。家族のようなもの」とベテランから若手まで個性派集団をまとめあげる。メッシ、スアレス、ネイマールの南米最強トリオを擁した14-15年以来の王座奪回へ。「我々はバルサ、進歩する義務がある」とさらなる高みを目指す。