
<中学硬式野球・リトルシニア関東連盟春季大会>◇6日◇埼玉・熊谷江南球場ほか
8月の日本選手権の予選となる夏季大会のシード権をかけた大会で、浜松南シニア(南関東支部)が熊谷シニア(北関東支部=埼玉)に1ー4で初戦敗退した。
関東大会の宿命だ。チームバスで浜松出発は午前4時15分。埼玉・熊谷市まで320キロの行程で、午前8時半に到着した。3月末に大阪で行われた全国選抜大会の片道270キロを超える大移動。前泊したくても、組み合わせ決定が4日前では準備できなかった。
選手は懸命だ。午後12時1分試合開始。1回表は無失点で滑り出したその裏、先頭・斉藤綾佑がライナーの右前打を放った。熊谷の先発右腕は直球に威力があったが、振り負けていない。盗塁で1死二塁として3番・白井勢那は中堅後方に高く深いフライを打ち返し、背走する野手の後方でバウンドした。斉藤はタッチアップの姿勢から走り出したが、三塁でストップ。1死二、三塁として後続に期待したが、先制点は奪えなかった。
慎重な走塁で好機を逃した一方で、果敢な走塁も裏目に出た。3点を追う4回裏1死二塁、松田晄が左中間を破る適時打で、自身も三塁に向かったが、アウトになった。2点差に迫った場面だけに、走者を残したい場面だった。
試合後、2つの走塁を振り返りながら、鈴木彰宏監督は「選抜大会の2回戦も似たような試合で負けました。流れを読む感性を磨かないと、接戦では致命的なミスになりますね」と明かした。高林そら主将も「自分たちに足りないことがわかりました」と言った。
快速球をはじき返すなそ、ポテンシャルは証明した。それを得点に結びつけ、競り勝つために…。帰り道も320キロ。野球少年の旅路は続く。【久我悟】
◆記者の目 全国選抜大会で次々接戦をものにして上位に進出したあるチームの監督は「走者二塁から得点する練習を繰り返しやってます」と話した。野球の「得点圏」とされる走者二塁だが、中学生の走力では単打で生還できない場合も多く、この試合のように、飛球の際にタッチアップかハーフウエーか、ハーフウエーから二塁に戻ってタッチアップか判断も必要だ。走者、ランナーコーチャー、ベンチの控え選手の声かけも含め、あらゆるパターンの対応力が勝敗を分ける。【久我】