
注目の初対決が移籍後初登板で実現する。巨人田中将大投手(36)が31日、川崎市・ジャイアンツ球場で投手練習に参加。キャッチボールやランニングなどで汗を流した。今季初先発予定の4月3日の中日戦(バンテリンドーム)では、同学年の中日大野雄大投手(36)との投げ合いが予想される。長年プロ野球界をけん引してきた「88年世代」を代表する両者。互いのプライドがぶつかり合う。
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田中将が柔らかな表情で言った。同学年の中日大野とのプロ初対決を前に「(本当に投げ合えるか)分からないんでね。何とも言いようがない」と前置きしつつ「この年になっても、そういう対戦ができることになれば貴重な機会だと思いますので。ファンの方々に楽しんでいただけるようなパフォーマンスを出せるように」と心待ちにした。
互いに再起を誓う年になる。昨季、プロ入り後初の未勝利に終わった田中将に対し、大野も9試合の登板で2勝6敗、防御率4・87。復活を期す今季の初登板で同学年対決が実現することに、田中将は「年数で言えば高卒で入れば19年目だし、大卒だったら15年。プロ野球の(在籍)年数としては、平均より倍以上ぐらいいってるわけなので」とかみしめる。
プロ19年目を迎え、ベテランの域に突入する。この日の練習中も戸郷と話し込み「(楽天時代に)自分がチームの中心として引っ張っていく自覚を持ってやってましたけど。岩隈さんがメジャーに行かれて、自分がそこにパッて立った時に違いは感じた」。昨季までチームに在籍した菅野がメジャー挑戦し、大黒柱としての役割が期待される戸郷に対し、自身の経験を惜しみなく伝授した。
順調に調整を進めてきた。キャンプ中は久保巡回投手コーチと二人三脚でフォーム改造に着手。実戦でも2軍戦を含め5試合に登板し、防御率は1・20を記録した。「今もこうしてプレーすることができてるのは、当たり前じゃない」。復活劇の第1歩を刻む。【水谷京裕】