
<とっておきメモ>
<DeNA2-1中日>◇30日◇横浜
今季初スタメンのDeNA松尾汐恩捕手(20)が今季3打席目でプロ初アーチを決めた。1点リードの5回先頭、中日メヒアのスライダーを捉えた。
左翼席に豪快に運ぶ一打で3年目にしてプロ初本塁打。ナインに祝福されながらうれしそうにベンチに戻っていった。 オープン戦では9試合に出場して18打数2安打で打率1割1分1厘。「こんなの初めてです」と苦しんでいたが、積極果敢なスイングで豪快アーチを決めた。
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まだ20歳の松尾だが、歌の趣味は大人びている。同世代がHIPHOPやJ-POPを聴く中、演歌にハマっていた。「テンションが上がる感じの今の曲はあまり好きじゃないんですよね。演歌は染みる感じが好き」と夢中になった。トレーニング中も、移動中も演歌から力をもらう。
きっかけがあった。ルーキーイヤーに、父方の祖父が病気で亡くなった。父は8人きょうだいの大家族で、松尾ら孫は20人ほどに上る。それでも亡くなる直前「汐恩は元気か? 頑張ってるか?」と鮮明に覚えて、気にかけてもらった。「そういえば」と祖父が大好きだった渥美二郎の「娘よ」を聴いて演歌にハマった。
祖父と同世代の田代野手コーチからも演歌のオススメをリサーチ。畠山みどりの「男じゃないか」を聴いて昔かたぎの男としての生き方を勉強しながら歌声を胸に刻む。「演歌からたくさんのパワーをもらってます」。20歳の原動力になっている。【DeNA担当=小早川宗一郎】