
<ソフトバンク2-8ロッテ>◇28日◇みずほペイペイドーム
ロッテのゴールデンルーキーが、デビュー戦で決勝打を決めた。
ドラフト1位西川史礁外野手(22)が、ソフトバンクとの開幕戦に「1番左翼」で先発出場。同点の6回無死一、三塁で、ソフトバンク有原からプロ初安打&初打点となる決勝適時打を放った。4回には相手に流れを渡さない好守備も見せるなど攻守で躍動。背番号6の大型新人が、3年目の吉井監督に初めての開幕戦白星を届けた。
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ロッテの新1番打者西川が、流れを変えた。ソフトバンク有原に5回まで完全試合ペースで抑えられたが、同点に追いついた直後の無死一、三塁。初球をよろけるほどのフルスイングで、思い切りよくバットが空を切った。カウント1-1。「内に決めてくるっていう情報は入っていたので、絶対にどっかでその球が来るなと思っていた」。臆することなく内角の変化球を体を回転させて左前に運び、勝ち越し打。打球が抜けた瞬間にガッツポーズをしながら走り出し、一塁ベース上で再びベンチに向かってガッツポーズ。ルーキーが打線に火を付け、一挙6得点で、天敵だったソフトバンク有原を攻略した。
守備でも見せた。4回の守備ではレーザービームで本塁に好返球し、相手の追加点を防いだ。「バックホームで一気に自分の流れに持ってくることができた。初安打のボールは『いつもありがとう』っていうことと、『打ったよ』ってことを報告して両親に渡したい」と感謝を伝える。
いつも練習に付き合ってくれていた父。この日は球場に来られなかったが、結果で感謝を届けた。小さい頃から練習相手は父。自宅に小さなグラウンドを作ってくれた。「ティーを打てるところを作ってくれて、毎日投げてくれて。それでずっと打ってました。仕事で会社の人と飲んだりとかしてきた帰りでもずっと投げてくれてました。それが今につながっていると思います」。猛特訓の成果を大舞台で発揮した。
新たなスタートを切った。「開幕戦でレギュラーでスタートできたってところは、自分のプロの第1歩としては本当にいいものになりましたし、ここからまた自分のいいところを引き続き結果として出して、最終的にはいいタイトルを取れるようにやっていきたい」。大物ルーキーがチームをけん引していく。【星夏穂】