
<オリックス-楽天>◇28日◇京セラドーム大阪
オリックス宮城大弥投手(23)が、NPB史上初となる開幕戦での完全試合を逃した。達成していれば史上17度目で、22年4月のロッテ佐々木朗希以来の快挙だった。快挙まであと6人に迫った8回表、先頭の4番辰己はボテボテの一ゴロ。宮城がベースカバーに入ったが、打者走者の足が早く内野安打となった。
昨年までの背番号「13」から今季は「18」に変更したエース左腕は、キレのある直球を軸に完璧な投球を演じた。立ち上がりから圧倒。1回は1死から、注目の楽天ルーキー宗山を相手にこの日初の三振。2回に太田の2ランで先制点をもらうと、投球は勢いづいた。3、4回は2つずつの三振を奪取。6回2死からは田中和にカウント3-2まで行ったが、内角直球で見逃し三振に仕留めた。
エース左腕は直近の楽天戦に苦い思い出があった。仙台での昨シーズンのチーム最終戦に先発。6回まで1失点で白星も、降雨コールドのため規定投球回にアウト4つ届かず、最優秀防御率のタイトルも逃して悔し涙を流した。その流れをふまえ、厚沢投手コーチが「仙台の試合の悔しさを来年ぶつける」と説明したように、岸田監督が昨年11月に宮城に異例の早期開幕通達を行った経緯があった。
開幕戦では完全試合だけでなく、ノーヒットノーランも過去にない。オリックス投手の完全試合は、阪急時代の78年8月31日のロッテ戦で今井雄太郎が記録して以来だったが、惜しくも逃した。