
巨人田中将大投手(36)が最後の“予行演習”を終えた。27日、オイシックスとの2軍戦(Gタウン)に先発し5回3安打1失点。今季初めて打席にも立ち「開幕前に体験することができて良かった」と、時折見せる笑顔が充実ぶりを物語っていた。
理想の投球を体現した。打者19人と対戦し、15人に初球ストライク。最速145キロの直球に、変化球を織り交ぜてゴロアウトを量産し「ゴロを打たせるのは自分の持ち味」と振り返った。ベンチから見守った久保巡回投手コーチも「コントロールはやっぱり素晴らしい」と絶賛した。
さすがの修正力も見せた。前回DeNA2軍戦で、被安打7本のうち6本を左打者から浴びた右腕は「左に対してよく打たれた」。この日は左打者への被安打を1本に抑え「手応えを感じた部分はありましたし、結果として出たのは良かった」と課題をつぶした。
万全の状態で開幕に向かう。実戦5試合に登板し、自責点はわずかに2。防御率は1・20を記録した。4月3日の中日戦(バンテリンドーム)での登板が確実視される中で「もうやるしかない。しっかり全力でベストを尽くして頑張りたい」。名古屋の地から、巨人のマー君としての再スタートを切る。【水谷京裕】