
初の開幕マウンドを翌日に控えても、広島森下暢仁投手は泰然自若を崩さなかった。
マツダスタジアムで最終調整した右腕は「シーズンに入ってからは結果がすべてだと思う。いいパフォーマンスを出せる準備はできました」。チームが急失速した昨季9月以降、自身は1勝もできなかった。自責の念にかられ、チームの中心選手となる自覚が芽生えた。開幕投手も通過点のひとつ。「自分がローテーションに入って、1年間回る思いの方が強かった。感情的にはそこ(開幕投手)にフォーカスしてはなかった」。チームを背負って上がる開幕マウンドも、新たなスタートに過ぎない。
阪神とは直近3年で12戦2勝6敗、防御率3・08。初の投げ合いとなる村上に対し「先にマウンドを降りることなく、やり切りたい」と言い切った。「変革」を掲げる3年目の新井広島の初陣を託された右腕が、チームの勝利だけを目指してマウンドに上がる。