
広島森下暢仁投手(27)は27日、初の開幕マウンドを翌日に控えても泰然自若を崩さなかった。大瀬良、床田と争った大役を春季キャンプ中に勝ち取り、オープン戦では3試合で防御率1・64の好成績。周囲を納得させる投球を示した。「シーズンに入ってからは結果がすべてだと思う。いいパフォーマンスを出せる準備はできました」。この日はマツダスタジアムで最終調整。万全の仕上がりで、6年目の開幕を迎える。
昨季は9月以降、自身は1勝もできず、急失速するチームを救えなかった。自責の念にかられ、チームの中心選手としての自覚を強くした。開幕投手もひとつの通過点。「自分がローテーションに入って、1年間回る思いの方が強かった。感情的にはそこ(開幕投手)にフォーカスしてはなかった」。チームを代表して上がる28日のマウンドもゴールではなく、新たなスタートに過ぎない。
今季は結果を貪欲に求めていく。阪神とは昨季、3度対戦して1勝1敗、防御率1・13も、直近3年で12戦2勝6敗、防御率3・08。「1番から9番までしっかり抑えられるように。ゼロ点で毎イニング帰って来られるように頑張りたい」。相手は強力打線だけではない。阪神先発は23年MVPの村。初の投げ合いとなる虎のエースに「先にマウンドを降りることなく、やり切りたい」と言い切った。「変革」を掲げる新井広島の初陣を託された右腕が、チームの勝利だけを目指してマウンドに上がる。【前原淳】