3月18、19日の日本開幕「東京シリーズ」が大盛況に終わり、いよいよ27日（日本時間28日）からファンの期待とともに、本格的なメジャーリーグのシーズンが始まります。今季の見どころをご紹介します。
今シーズンはア、ナ両リーグ東、中、西各地区全てに日本人選手が所属します。これまで古くはナ・リーグ、その後はア・リーグ、また時代を通して西地区など偏りがありました。しかし、今やどのリーグや地区にも日本人選手がいて、しかも優勝候補のチームに多くいるので見応えがあります。
その中でも、やはり最大の注目はドジャースでしょう。今世紀メジャー初のワールドシリーズ2連覇なるかに注目が集まります。2年ぶりの投打二刀流復帰を目指す大谷翔平投手をはじめ、山本由伸、佐々木朗希両投手の侍トリオがどんな活躍を見せるか楽しみです。
昨年に続き、今年もドジャースは大がかりな戦力補強を施しました。それによって、昨年世界一に輝いたチームはますます戦力アップし、MLB公式サイトによると、投打とも全30球団中1位という最高の評価。ワールドシリーズ優勝も最有力候補に挙がっています。
ただし、2001年以降メジャーでは2年連続世界一どころか、2年連続リーグ優勝も17、18年のドジャースを含め5チームしかありません。そのうち、ワールドシリーズ優勝の翌年もリーグ優勝したのは、08年世界一、翌09年リーグ優勝したフィリーズだけです。
特に、ナ・リーグでの連覇は容易でないと思います。なぜなら、近年ナ・リーグの戦力が上がって来ているからです。最近のFA市場を見ると、ア・リーグからナ・リーグに多くの大物選手が移籍。昨年暮れにはヤンキースのフアン・ソト外野手がメッツと超大型契約しました。
それによって、MLB公式サイトのパワーランキングで、ナ・リーグが1位ドジャース以下、フィリーズ、ブレーブス、メッツと上位を独占。さらに6位ダイヤモンドバックス、9位パドレスと上位9球団中6球団もランクインしています。
こうして見ると、現在メジャー最強地区はフィリーズ、ブレーブス、メッツの強豪がひしめくナ・リーグ東地区と言えます。それに対し、23年ダイヤモンドバックス、昨年ドジャースと2年続けてリーグ優勝するなど西地区もレベルが上がっています。
とりわけ、昨年地区3位だったダイヤモンドバックスは、オリオールズからFAとなった元サイ・ヤング賞のエース右腕コービン・バーンズ獲得に成功。同サイトによるとメジャー全体でも投手力は5位と評価されており、打倒ドジャースの1番手として名乗りを上げています。
しかし、たとえ地区優勝しても、プレーオフで東地区の3強が待ち受けています。特に、昨年地区優勝のフィリーズはドジャースに匹敵する強力投手陣を擁し、メッツは現役最高打者の一人ソトの加入でドジャースに負けない攻撃力を誇ります。また、一昨年まで6年連続地区優勝のブレーブスは、投打のバランスが優れています。
その中で、我々日本人にとってはメッツに千賀滉大投手がいて、日本開幕戦でドジャースと対戦したカブスには今永昇太投手、鈴木誠也外野手が所属。さらにパドレスのダルビッシュ有、松井裕樹両投手といった日本人選手がいるチームに健闘を期待したいところです。
すでにドジャースは日本開幕戦で2連勝と好スタート。まずは4年連続、また直近13年間で12度目の地区優勝へ向けて、最初から最後まで終始独走、いわゆる「ワイヤ・トゥ・ワイヤ」で優勝なるか？ はたして162試合のペナントレースがどんな展開になるか楽しみです。
【大リーグ研究家・福島良一】（ニッカンスポーツ・コム／MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」）
