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【センバツ】初戦欠場の花巻東・古城大翔が2回戦での復帰を目指し初の一塁守備に挑戦


花巻東高校(岩手)は、第97回選抜高校野球大会で7年ぶりに初戦を突破し、23日の二回戦に備えて守備練習やシート打撃で調整しています。右上腕二頭筋の肉離れで初戦を欠場した古城大翔内野手が練習に復帰し、一塁守備に挑戦しています。古城選手はケガの影響で完全復活とはいえない状況ですが、チームに貢献するために様々なポジションでの調整を進めています。初戦では、古城選手の代わりに打順4番に立った赤間選手が2安打2打点の活躍を見せ、チームは7年ぶりの勝利を収めました。古城選手は復帰を目指し、また仲間のサポートに応えるために全力を尽くしています。

肩を組み、ガッツポーズする花巻東の古城(右)と赤間(撮影・木村有優)

第97回選抜高校野球大会で7年ぶりに初戦を突破した花巻東(岩手)が大阪市内で20日、23日の第2試合の2回戦・二松学舎大付(東京)に向けて守備練習やシート打撃などで調整した。右上腕二頭筋の肉離れで初戦を欠場した巨人古城内野守備コーチの長男、古城大翔内野手(2年)も練習に参加し、初の一塁守備に挑戦。2回戦での復帰を目指し、調整を進める。

  ◇  ◇  ◇

一度は諦めかけた今春の甲子園出場に、兆しが見えてきた。右の上腕二頭筋の肉離れで別調整中だった古城が、本格的に練習に復帰した。「投げる時にまだ少し痛みと怖さがある」と話すように、完全復活とはいえない。佐々木監督からは普段守っている三塁手に比べ、投げる動作が少ない一塁手を提案された。「チームに少しでも貢献できるなら、どんな形でもやりたいと思いました」。経験のない守備位置への挑戦に迷いはなかった。

3月上旬。守備練習中に無理な体勢から投げたことにより負傷。「一発で(軽症ではないと)分かる痛みでした」と全治3週間を言い渡された。「センバツに向けて良い状態の中でのけがだったので、試合に出るのは諦めたというか、無理かなと思いました」。1年春から4番に座る主砲の負傷に、チームの士気も一度は落ちかけた。だが、仲間は2回戦以降の復帰を信じた。「古城のために、初戦を命がけで戦おう」と団結した。

思いは形となった。初戦の18日の米子松蔭(鳥取)戦では古城に代わり、4番に入った同級生の赤間が初甲子園ながら先制打を含む2安打2打点。チームとしても14安打の猛攻をみせ、10-2で7年ぶりのセンバツ白星を挙げた。

ベンチから見ていた古城には、こみ上げるものがあった。

「1人1人が全力プレーで本当に感動しましたし、この仲間に出会えて良かったと、あらためて思いました」

チームメートの気持ちに報いるためにも、必死に調整を進める。一塁手として参加した守備練習後、苦戦していたショートバウンドの捕球練習に1人で汗を流した。打撃面でも「まだ打席の中での迷いやスイングの鈍さを感じています」と苦戦しているが、時間はまだある。「本格的に投げるのは難しいかもしれませんが、持ち味の打撃という部分では120%の状態で挑みたいです」と気合は十分だ。復帰を信じて、必死でつないだ仲間の思いに応えるため、今この瞬間に全力を注ぐ。【木村有優】

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