
<カブス3-6ドジャース>◇19日◇東京ドーム
カブス鈴木誠也外野手(30)が、故郷に錦を飾れなかった。東京での開幕シリーズは2試合で8打数無安打4三振。4回2死一、二塁は空振り三振、6回2死一塁は三塁ゴロと好機をつぶし、下を向いてベンチへ帰った。
日本時代を含めても初対戦となる、ドジャース佐々木との対決は痛み分けだった。1回1死の第1打席。初球は161キロの直球でボール。フルカウントから160キロの内角高め直球に空振り三振した。3回1死一、二塁の第2打席は、外角低め158キロ直球を見送り、四球を選んだ。満塁とし、3番タッカーの押し出しにつなげた。
時差ボケは解消していた。14日には開口一番「眠い」と話したが、17日には「明後日アメリカに帰らないといけない」というほど体調は良化していた。それでも、ボール球に手を出す場面が多く、結果にはつながらなかった。
幼少期に思いをはせ、日本での開幕シリーズを心待ちにしていた。「僕が小さい時、東京ドームで逆の立場だった。自分がそうなっているのは不思議な気持ちもある」。鈴木は球場からほど近い、荒川区出身。日本開催だった04年の開幕シリーズ、ヤンキース-デビルレイズを観戦していた。第2戦で松井秀喜(ヤンキース)が右翼席へアーチをかけた。21年がたち、今度は自分の番になるはずだった。
今シリーズで安打こそ出なかったが、昨季OPS・848でリーグ8位の強打者に対し、カウンセル監督の信頼は不変だ。今後も中軸を任される。米国に戻り、立て直す。【斎藤直樹】