
不要な力みも気負いも、一切なかった。ドジャースの開幕投手を務める山本由伸投手(26)が、東京ドームでの公式練習に参加。一塁側ベンチからさっそうと登場すると、販売開始から1時間足らずで売り切れたプラチナチケットをゲットしたファンから、大きな歓声が起こった。山本は笑みを浮かべ、手を振って応えた。やり投げトレーニングや遠投など約40分の調整を終えると、リラックスした表情でグラウンドを後にした。
公式会見から待ち遠しさを隠そうとしなかった。メジャー史上初となるカブス今永との日本人の開幕投手対決に「とにかくいいピッチングをして、いい試合ができたら」。日本凱旋(がいせん)試合にも「僕自身もいつも以上に楽しみなので、少しでもいい状態で、最高の状態で試合に臨めたら」と、重圧と感じることなく力に変えている。
すべては状態の良さの証しでもある。10日(日本時間11日)のダイヤモンドバックスとのオープン戦は5回4安打7奪三振1失点の好投で、本番前の最終登板を締めた。開幕戦では5~6回を予定。ロバーツ監督も「いい投球を期待しています」と信頼を口にした。
東京ドームでのメジャーの開幕戦は過去5度。少年時代の山本は、画面越しに見つめた。「テレビの前で見てた思い出はありますし、多くの方が見てくださると思うので、少しでも多く影響を与えられたら、すごくうれしく思います」。2年連続世界一へ。「ついに東京シリーズが目前のところまで来たなという気持ち」。東京で最高のスタートを切り、2戦目先発の佐々木にバトンをつなぐ。