
<オープン戦:ドジャース10-4ガーディアンズ>◇11日(日本時間12日)◇アリゾナ州グレンデール
【グレンデール(米アリゾナ州)11日(日本時間12日)=四竈衛】ドジャース佐々木朗希投手(23)のメジャーデビューが決まった。MLB機構の正式発表を前に、デーブ・ロバーツ監督(52)が日本での開幕シリーズ第2戦先発を明言。「3・19」のカブス戦(東京ドーム)でデビューする。この日はガーディアンズとのオープン戦最終戦に先発し、4回1安打無失点。最速は97マイル(約156キロ)と抑え気味も、二塁を踏ませない文句なしの内容だった。ド軍はキャンプを打ち上げ、日本時間13日未明に日本へ向け出発。同午後に到着する。いよいよ、やって来る。
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実直な人柄でサービス精神旺盛なロバーツ監督がオープン戦最終戦の試合後、満面の笑みを浮かべて言った。「ヨシ(山本)が開幕戦、朗希が2戦目。とてもエキサイトなこと。パーフェクトなストーリーだ」。同地でのキャンプを無事に打ち上げた安心感と、12日には日本へ出発する高揚感からか、これまで「いろいろな選択肢がある」と慎重だった佐々木の登板日を明瞭な言葉で明かした。
球団関係者によると、本来は機構側が一両日中にも正式発表する予定だった。ところが、同監督は知らされていなかったものとみられ、結果的にフライング気味となった。その一方で、沖縄生まれの同監督にとって山本、佐々木の2人をマウンドへ送り出すことに迷いはなかった。「彼らが育った日本で、舞台に戻り、ドジャースの一員として公式戦で投げるなんて、どれだけの視線を集めるのか、想像できない」。1年目の佐々木が登板を経るたびに調子を上げ、無事にキャンプを終えたことで、腹案を隠す必要はなくなった。
同監督の期待を感じてきた佐々木も、「満額回答」で応えた。開幕前の最終登板は初回、3者凡退でスタート。2回以降、無死から安打、四球で走者を許しても、表情ひとつ変えることなく、淡々とアウトを重ねた。終わってみれば、4回をわずか41球。二塁を踏ませない完璧な結果だった。それでも「思うようにいかないところもありますし、自分の悪い癖が出そうになった。逆に開幕前の今のうちに出てくれてよかったと思います」と、反省点を含めて振り返った。
周囲にさまざまな意見があることを承知で、自らの意思を貫き、23歳にして米国野球に身を投じる決断を下した。幼い頃から目標にしてきた舞台が、故郷日本のマウンドからスタートする。「メジャーで投げられたらうれしいですし、そこで活躍するためにやってきた。それを東京で迎えられるのは特別。なかなかないことだと思う」。挑むだけでなく、結果も求める。「令和の怪物」の第2章が、まもなく幕を開ける。