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【ヤクルト】嶋基宏ヘッド「見せましょう。野球の底力を」14年前「3・11」当時は楽天選手会長


ヤクルトの嶋基宏ヘッドコーチが、東日本大震災から14年を迎えた日に古巣・楽天と対戦し、震災への思いを語った。当時楽天の選手会長だった嶋氏は、「これからも震災を忘れず、野球ができることに感謝し、若い選手にその思いを伝えることが自分たちの役割」と述べた。試合では、若手選手が活躍し、嶋氏は「チームに良い刺激となり、ワクワクした」と振り返った。彼の変わらぬ思いと、野球の力を信じる気持ちは続いている。

楽天対ヤクルト 試合前、震災への思いを語るヤクルト嶋コーチ(撮影・横山健太)

ヤクルト嶋基宏ヘッドコーチ(40)が、「3・11」に思いを巡らせた。

東日本大震災の発生から14年のこの日、巡り合わせで相手は当時に所属していた古巣・楽天。試合前、当時を回想し、言葉をつないだ。

「忘れたことはない。これからも忘れることはないと思います。こうやって野球ができること、当たり前に生活ができることに感謝しないといけない。そういう思いを若い選手に伝えていくのも我々の仕事かなと思います」

あの時、楽天の選手会長だった。同年4月の復興支援の慈善試合で「見せましょう。野球の底力を」とスピーチした。2年後の13年に日本一へ導き、22年にヤクルトで現役を引退した。

「僕は今、プレーすることはないですが、スワローズの若い選手が、グラウンドで動き回ってるところを見てもらえたら」

試合前、静かに黙とう。三塁側ベンチから戦況を見つめた。視線の先で、当時10歳だった00年生まれの24歳の2人が躍動した。

初回は先頭、赤羽が左翼線二塁打で出塁。育成出身の24歳が突破口を切り開き、4点を先取した。2回の左前打も含め2安打を放ち「吹っ切れたような感じで打撃ができたかな」。

村上、オスナ、サンタナ、塩見が遠征に同行しない中で、4番に座った浜田は先制適時打を含む3安打。7年目の大砲候補は「いい方向に飛んでくれた。安打が出たのは前向きに」とアピールにも引き締めた。

試合後、若手の底力を受け止めた嶋ヘッドコーチは言った。

「チームにもいい刺激になると思うし、ワクワク、ドキドキしました」

あの時とは、ユニホームも立場も変わった。だが、震災への思いも、野球の底力を信じる気持ちも変わることなく、グラウンドに立ち続ける。【上田悠太】

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