<親善試合:日本ハム8-0台湾・中信>◇2日◇台湾・台北ドーム
【台北(台湾)2日=永野高輔】侍ジャパンへ弾みをつける1発だ。日本ハム万波中正外野手(24)が、2回に台湾シリーズ2戦連発となる左越え3ランを放った。4日には5、6日の強化試合(オランダ戦)に臨む侍ジャパンに合流する。台湾での勢いを代表戦につなげ、来年3月のWBCへ向けて井端監督にアピールする。
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台湾のファンに万波が最高の恩返しを果たした。2回無死一、三塁、カウント2-1からの4球目を弾丸ライナーで左翼席に突き刺した。「センターから逆(方向)に大きいフライを打ちたいなというようなイメージだったんですけど、思った以上にうまく回れました」。現地では人気紅茶店「萬波」と蒋介石の本名「中正」に重ねられ、注目を浴びた中で2戦連発。「台湾も含めて世界中のファンの皆さんに、自分の名前を知ってもらえるように、頑張りたい」と、今後を思い描いた。
新たな絆も芽生えた。同い年の新戦力・古林睿煬投手(24=台湾・統一)とはキャンプ中はなかなか打ち解けられなかった。だが「台湾に来て、『これどういう言葉なの?』とか『こういうことは台湾語でどうやって言うの』とか」。環境が変わり、自然と会話が増えて距離が縮まった。さらに「古林も(孫)易磊も声援のでかさを生で感じて、すごい選手なんだなって改めて感じました」と刺激を受けた。
4日には侍ジャパンに合流する。昨年11月のプレミア12はコンディション不良で辞退したこともあり「選んでいただいた井端さんへの申し訳なさだったり、思うことはあった」。来年3月のWBCへ向けた大事な参考資料となるだけに「当然、アピールしたい。メジャー組もどんどん入って来て、激しい外野争いになる。『万波も可能性あるな』って思ってもらえるような2試合にできたら」と意気込んだ。
終盤8試合連続無安打の沖縄キャンプから台湾に移動し、今季1号に続き2戦連発と一気にスイッチが入った。「忘れられない2日間になったのは間違いない。こういう雰囲気で試合をするのは僕は大好きなので、自分らしくやれた」。今度は日本中が注目する侍ジャパンで、どでかい1発を放り込む。