＜教育リーグ：阪神5－5広島＞◇1日◇日鉄鋼板SGLスタジアム尼崎
2軍の新本拠地で、虎の大陽が太陽のごとく輝いた。1日の教育リーグ広島戦で、途中出場した阪神ドラフト5位の佐野大陽内野手（23＝日本海L富山）が、同点の2点タイムリー二塁打をマーク。走攻守3拍子を売りに逆転1軍を目標にする新人が、千金のプロ初適時打で初戦黒星を阻止するドロー開幕を演出した。
「いいところで回ってきたので、何としても結果を残したいという気持ちで打席に立ちました」
新球場の晴れ渡った空を佐野の打球が切り裂いた。3－5で2点を追う7回1死二、三塁。広島の3番手右腕、斉藤の初球の真っすぐを捉えた。打球は右中間を真っ二つ。内野から外野まで埋め尽くしたファンから、この日一番の歓声に包まれた。「こんなに多くの観客がいる中で試合をしたことはない」と驚きながら、「取り組んできたことを発表する場だと思った。いい結果が出た」と喜んだ。
具志川キャンプでは対外2試合に出場し、2月24日の社会人エナジックとの練習試合では、5打数3安打とハッスル。「いろんなコーチにアドバイスをもらいながら取り組んでいる中で、自分の感覚でいいものを落とし込んで、ようやく形になってきた」。2月の鍛錬が実を結びはじめ、手応えをつかんでいる。主戦場は遊撃だが、この日は三塁で出場するなど複数ポジションもOK。目標は開幕戦となる28日の敵地広島戦でのベンチ入りだ。「開幕1軍が直近の目標なので、1試合1試合、1球1球アピールするだけです」。大陽が熱く燃えている。【塚本光】
