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絶対に負けない。6年目の楽天武藤敦貴外野手(23)は、自分のやるべきことに集中してレギュラー奪取を狙う。
1軍の沖縄・金武キャンプを完走した若武者は「1番を目指してやっていきたい」と外野の定位置争いに参戦。1軍通算94試合の出場にとどまっているが、今季こそ大ブレークし、自主トレで師事する広島秋山への恩返しを誓う。
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武藤が自信を持って定位置奪取を狙う。1軍の沖縄・金武キャンプを完走。外野のレギュラーは辰己、小郷が有力で、実質残り1枠を2年目の中島、ドラフト5位の吉納翼外野手(22=早大)らと争う構図だ。「(定位置争いは)激しいとは思うんですけど、そこにあんまり気を取られないように。自分がやるべきことをやれば結果もついてくると思う」と冷静に受け止める。
昨季は1軍で7試合の出場にとどまったが、2軍では89試合で打率2割8分1厘をマークした。「バッティングは自分の感覚を大事にして、自分がいいと思ったらいいという意識で今はやってる」とぶれない。守備は球際に強く、俊足も武器にする。「どこにおいても外野手の中では負けないように、1番を目指してやっていきたい」と気合を入れた。
今オフは静岡・下田で行われた広島秋山の自主トレに参加した。シーズン最多安打記録を持つ安打製造機のもとで「短い期間でしたけど、実りある自主トレやったなって」と充実の時間を過ごした。「(バットを)ボールの内側に入れてあげることが大事っていうことを秋山さんは常に言っていた。ミスショットがファウルになり、そうすれば打ち直しがきく。ボールも近くまで見られるということを教えていただいたんで、ほんと三振とかしない秘訣(ひけつ)だなとすごく感じた」。活躍するためのヒントを得た。
師匠からの教えを生かし、今季こそ1軍の舞台で大ブレークを果たす。「常に見てくれていたので。探さなくても結果が見えるような状況まで僕が持っていって、秋山さんに恩返ししたい」。堂々たる成績を残し、いい報告を届ける。【山田愛斗】