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28年のロサンゼルスオリンピック(五輪)世代となるU-20(20歳以下)日本代表の船越優蔵監督(47)が、U-20ワールドカップ(W杯)チリ大会の出場切符を手にして一夜明けた24日、オンライン取材に応じ、PK戦を想定して準備をしてきたことを明かした。U-20日本代表は、U-20アジア杯中国大会の準々決勝でイランをPK戦の末に下し、目標のU-20W杯出場権を手にしていた。
23年のU-20アジア杯ウズベキスタン大会で、日本はイランに準決勝でPK戦の末に敗れていた。A代表でもW杯カタール大会でPK戦で16強で敗退している。日本サッカー界として、PK戦での勝負強さが課題なだけに、U-20W杯の切符がかかる大一番で、PK戦を制した意義は大きい。 船越監督は「PK戦は取り組んで準備をしてきた」と言い切った。代表活動の中でPKのトレーニングを取り入れ、トレーニングの中でも各選手のデータを収集し、対戦相手の情報も収集してきた。「所属チームでもPKを蹴られるのであれば、練習はしておくように」と促していたという。
また、昨年11月のメキシコ遠征でのメキシコ戦も、双方のサッカー協会の話し合いで「引き分けの場合はPK戦」のレギュレーションを決めた。実際に1-1、PK戦で2-1で日本がメキシコに勝利している。
前日23日のイラン戦のPK戦では、蹴る選手の特長、相手GKの癖を含め、コーチと相談してキッカーの順番を決めた。船越監督は「やり続けると成果は出るものかなと思います。やはり、この緊張感の中でプレーするということは、どんな練習よりも選手の成長を促すと思っている。なおかつ勝つことで経験値になると思っているので、非常に良かった」と振り返った。
W杯切符は手にしたが、次なる目標はアジア王者だ。26日は決勝進出をかけ、U-20オーストラリア代表との対戦が決まっている。船越監督は「W杯出場権と個人の成長、この2つの目標を立てている。タイトルが懸かった真剣勝負であと2試合できるというのが、選手の成長にすごくプラスになる。1つは達成できた。もう1つを達成するためには、あと2試合やらないといけない」とさらなる目標を掲げた。