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<ピンポイント>
<練習試合:日本ハム11-4楽天>◇16日◇沖縄・名護
日本ハムが楽天戦(名護)の7回に見せた攻撃は、新庄剛志監督(53)から他球団への宣戦布告だった。
7回2死一塁。走者上川畑、打者は途中出場の松本剛。カウント1-2からの4球目でヒットエンドランを仕掛けた。松本剛は引っ張って広くなった三遊間を抜き、上川畑は一気に三塁へ。2死一、三塁の形をつくると、続く途中出場の水谷の打席で、再びサインが出た。
カウント2-1からの4球目。水谷がストライクを見逃した後に一塁走者の松本剛がスタート。通常の二盗より遅いタイミングのディレードスチールを仕掛け、相手捕手が慌てて二塁へ送球した瞬間に三塁走者が本塁へ向かって重盗が決まり、2死から1点を奪って見せた。
指揮官は「サイン通り。1発で全て成功させてくれた」。ただの重盗ではなく、ディレードで仕掛けた進化形にも難なく対応した松本剛と上川畑に、他の場面でもきっちりと犠打が決まるなど、キャンプ中盤から確度の高い野球を対外試合でできていることが収穫だ。
昨季までも、2者連続初球スクイズや満塁の場面でエンドランのサインを出したりするなど、新庄監督は常識にとらわれない野球を仕掛けてきた。それが“奇策”とも言われたが、選手たちも、もう驚かない。
松本剛は「みんな一、三塁になった時点で何かあると準備していると思う。僕もそこは、だいぶ読めていた」と代弁した。新庄監督にとっても、この日の7回の采配は「練習の一環」としながらも「もちろんシーズンもしますけどね」。“新庄マジック”は、もはや奇策でなく妙策。今季もしたたかに勝利へつながる得点を重ねる。【木下大輔】