阪神藤川球児監督（44）が、天国の大先輩に日本一を届ける。吉田義男さんの訃報を4日の沖縄春季キャンプ中に知り、球団を通じて追悼の言葉を発表した。「突然の訃報に驚いています。偉大な大先輩であり、またお元気な姿で再会して叱咤（しった）激励いただけるつもりでいましたので、残念でなりません」。吉田さんが阪神を率いたのは98年まで。98年ドラフト1位で入団した藤川監督は同じチームで交わることはなかったが、昨年11月末の阪神OB総会でも顔を合わせるなど偉大な先輩だった。グラウンドに訪れ直接言葉をかけてもらうことを心待ちにしていたが、突然の悲しい知らせとなってしまった。
85年に球団初の日本一を成し遂げた吉田さんは、きっと藤川阪神の挑戦も見守ってくれるはず。指揮官はリーグ王座奪還、再びの日本一への思いを新たにした。「素晴らしい先輩方が作り上げた伝統を、私たちが責任を持って受け継ぎ、また次の世代につないでいきたいと思いますし、天国の吉田さんに良い報告ができるように、目の前のことに全力を尽くしてシーズンを戦っていきます。故人のご冥福を心よりお祈りいたします」。ナインとともに沖縄で懸命に鍛錬を続け、秋には吉田さんへ優勝の報告をする。
