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王貞治氏「野球は命を賭ける価値がある」少年、少女ファーストの重要性説く「輝く目を見たい」


ソフトバンク球団会長の王貞治氏が「第15回日本スポーツ学会大賞」を受賞しました。野球を命とする彼の活動が評価され、表彰式で王氏は野球の魅力を語りました。特に子どもたちが野球に触れる機会が減少していることを懸念し、若者たちに野球の楽しさを伝える場を提供する重要性を強調。学校での野球禁止事項への対応策を考え、野球の体験機会を増やしたいと述べました。王氏は人生をリレーに例え、次世代にスポーツの喜びを受け継ぐことの大切さを再確認しました。

第15回日本スポーツ学会大賞授与で子どもからの質問に真剣に答える王氏(撮影・垰建太)

王の願いとは-。世界少年野球推進財団(WCBF)の理事長を務めるソフトバンク球団会長の王貞治氏(84)が25日、都内で開催された「第15回日本スポーツ学会大賞」の授賞式に出席した。同大賞は、スポーツ界の発展に貢献した個人・団体を表彰するもの。90年から各地で「世界少年野球大会」を開催する王氏は「野球っていうのは私にとっては、命を賭ける価値があるものだと思っています。ほかのことは飽きっぽいんですが、野球だけは飽きないんです」と、にこやかな表情で語った。

昨年は節目の第30回大会が福岡県で行われ、世界14カ国・地域から少年少女を招待した。開催までに幾多の苦労があろうと「特別なことではありません」と淡々。「自分が受け継いだものは若い人たちに渡していかないといけない。人生というのはリレーだと思うんです。小さい時にいろんなことを教えてもらいました。そして、やっとそれなりに生きていくことができました。今度は自分がそうなったら若い人たちの面倒を見るのは当然のことなんですよね」と受け止める。

危惧するのは、野球に触れる子どもたちが減少傾向にあること。「野球って難しいけど楽しい。だから我々は今、触れてもらう場を作ることが大事だと思う」。学校の校庭でキャッチボールやバットを振ることを禁止する例もある。「ダメダメって言うよりも、じゃあどうすれば野球ができるようになるか、そういうことを考えないといけない。残念ながら、今は野球に触れる機会が我々の時代よりも少なくなっている。野球を体感できるような状況を作りたい」。野球少年、少女ファーストの重要性を説いた。

現役時代から特別支援学校を訪問するなど、長年にわたって野球振興に注力してきた。その原動力はなにか。「やっぱり子どもたちの笑顔だね。ボールを捕った時なんかのうれしそうな目がね。本当に子どもたちの輝く目をもっともっと間近で見たい。そう思うから続けるんだよね」。日本全体の野球の活性化を切に願っている。【只松憲】

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