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【センバツ】甲子園の女神が「シガタン」にほほ笑み 07年度まで女子校の滋賀短大付が初出場


滋賀短大付属高校は、創部17年目で初めて春夏通じて甲子園への出場を決めました。この決定に、校長の小林昌彦氏は「甲子園の女神が微笑んだ」と選手たちに報告。チームは46人の部員が団結し、その喜びを分かち合いました。昨年の近畿大会では強豪を相手に結果を出し、今回も接戦を勝ち抜いた滋賀短大付属は、チームワークと守備力でロースコアの試合を目指し甲子園での勝利を狙います。選手たちは「全員で力を合せ、夏に繋げたい」と語り、指揮官である保木監督も「弱点を補って全国の舞台に立とう」という意気込みを見せています。

春夏通じて初の甲子園出場が決まった滋賀短大付ナインは帽子を投げて喜ぶ(撮影・西尾就之)

<第97回選抜高校野球:選考委員会>◇24日

昨秋の近畿大会ベスト8の滋賀短大付が、創部17年目で春夏通じて初の甲子園出場が決定。07年度まで女子校だった愛称「シガタン」が、悲願をつかんだ。

小林昌彦校長(61)が午後4時過ぎ、大津市の学校内で練習していた部員に「甲子園の女神がたった今、シガタンにほほ笑みました。おめでとう」と報告。部員46人は抱き合い、喜びを分かち合った。

近畿地区6枠のうち、最後の6枠目での選出を争った。保木(ほうき)淳監督(39)は「可能性は0ではないが、低いと思っていた」とし、選手には「うちは間違いなく、出場32校で32番目のチーム。工夫と考える力で甲子園に臨んでいこう」と呼びかけた。

一方で取材に応じた指揮官は、一戦必勝が大前提ながら「甲子園では5回勝ちたい。5回勝てば優勝できる。その前提として、ロースコアの試合をすること」と、持ち前の守備力で接戦に持ち込みたい考えだ。

昨年10月の近畿大会では1回戦で、滋賀2位で出場した滋賀短大付が、大阪王者・履正社に4-1で逆転勝ち。準々決勝では1-4で天理(奈良1位)に敗れていたが、初の8強の自信を胸にひと冬を越えた。

主将の森伸文(しんや)内野手(2年)は「全員で力を合わせたい。(滋賀学園と県勢2校出場で)チャレンジできるのは2校だけ。この経験を無駄にしないよう、夏につなげたい」と意欲的だ。

16年で甲子園に導いた保木監督は、滋賀・高島市生まれで、県立安曇川(あどがわ)高では主将で捕手。2年春の県大会準優勝が最高成績で、進学した龍谷大で野球を離れた。

卒業後は1年間フリーターとしてコンビニで働き、09年に滋賀短大付に地歴公民の教員で呼ばれ、同時に野球部創部に部長でかかわった。最初の監督就任が12年夏から7年間、21年夏から2度目の監督就任となり現在に至る。

この日、選手から胴上げされた保木監督は「個の力が弱くても、チームワークで全国の舞台に立てる。シガタン野球を見ていただきたい」と意気込んだ。「甲子園出場までは独身」と公言していた指揮官は、愛情を注いできた部員たちと憧れの舞台に挑む。

◆滋賀短大付 1918年(大7)、大津市に「松村裁縫速進教授所」として創設された私立校。県内唯一の女子校だった「滋賀女子」から08年に現校名に変更され、男女共学に。翌09年に野球部を創部。建学の精神は「心技一如」。普通科のみで進学率約95%。現野球部員は46人。他クラブは陸上、女子バドミントン、女子バスケットボール部の活動が盛ん。主なOBはスノーボード女子ハーフパイプでバンクーバー、ソチ五輪代表の岡田良菜、女子プロゴルファー吉本ひかる。生徒数は713人(男子287人)。小林昌彦校長、秋山元秀理事長。

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