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花巻東「実力不足だった」秋から目標「日本一」に設定し全員で同じ方向へ引き締め吉報待つ


第97回選抜高校野球大会の出場校発表を控え、花巻東高校は緊張した面持ちで準備を進めている。昨年秋の東北大会で4強入りしたが、準決勝で敗れたことから、今回の選出にはまだ不安が残る。キャプテンの中村耕太朗とエース金野快は、センバツへの強い思いを胸に、冬の間も厳しいトレーニングを続けている。東北地区の選考枠は3つで、既に大会を制した聖光学院と準優勝の青森山田の選出が確実視されている。花巻東は残り1枠を山形中央と争う形となっており、出場が決まることを祈りつつ、日々努力を重ねた。

センバツ選考発表を翌日に控えた花巻東・中村(右)と金野(撮影・高橋香奈)

第97回選抜高校野球大会(3月18日開幕、甲子園)の出場32校が24日、発表される。昨秋東北大会4強の花巻東(岩手)は、残り1枠に入ることを信じ冬を過ごしてきた。

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吉報を待つ前日も、花巻東のグラウンドはにぎやかだった。雪がとけきらない中で、選手たちは威勢のいい声を出しトレーニングに励んでいた。中村耕太朗主将(2年)とエース金野快投手(2年)は「今日は眠れない日になりそうです」と緊張した面持ちで、声をそろえた。

昨秋の東北大会は準決勝で青森山田に敗れ、センバツ出場の当確ランプに1歩及ばなかった。中村は「甲子園経験者が多く、決してスタートが遅れたわけではない。全員が同じ方向を向けずに、ただ実力不足だった」と振り返る。長い冬が始まった。目標は「日本一」と定めた。主将として、グラウンド内外で常に部員全員の気を引き締める。練習では「1球1球、気を抜くな」。寮生活、食事面まで徹底し「センバツに選ばれる、日本一になる行いとしてふさわしいのか」と問いかけ、全員で同じ方向を向くようにした。

この1月までは個々のスケールアップに励む。それぞれの課題に打ち込むため、6班に分かれ練習。金野は球威を上げるため、ウエートに取り組む。デッドリフトは昨夏の150キロから185キロへレベルアップした。

いよいよ、運命の日。中村は「ちょっと不安はあるけど、とにかく選んでもらえるようなチームになろうとやってきた」と力強く言った。金野も「選ばれたい気持ちは強い。でも、どちらになっても、どんどん進んでいきたい」と前を向いた。【高橋香奈】

◆東北地区の選考展望 東北地区の枠は3。昨秋の東北大会を制した聖光学院(福島)と準優勝の青森山田の選出は決定的だ。残る1校は準決勝で敗れた花巻東(岩手)と山形中央の一騎打ちとなりそう。花巻東は東北大会で秋田商、鶴岡東(山形)と各県の1位校を撃破し、チーム力は高い。山形中央も岩手1位の一関学院に勝利。山形勢は3校全てが東北大会8強入りしており、山形3位でも侮れない。21世紀枠は全国9地区の候補から2校が、地域を限定せずに選ばれる。

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