フジテレビは27日、午後4時から都内の同局で中居正広氏(52)の女性トラブルに社員が関与したなどと報じられた件について2度目の会見を開催し、開始から8時間を超えても終了せず、日付を越える異例の長丁場となった。
この日の会見には、27日に退任を発表したフジ・メディア・ホールディングス、株式会社フジテレビジョン代表取締役会長の嘉納修治氏(74)港浩一氏(72)のほか、遠藤龍之介同局取締役副会長(69)や金光修同HD代表取締役社長(70)、今日28日付でフジテレビの社長に就任するフジ・メディア・ホールディングス専務取締役の清水賢治氏(64)が出席した。
会見では、港氏と嘉納氏が退任を自らの口で説明。引退した中居氏の女性トラブルに対する対処、17日の会見内容、その後にスポンサーのCMが75社以上から放送されなくなるなどの責任を取ったもの。同HDは「新たな経営体制で第三者委員会の調査への協力及び信頼回復に向けた改革を進めるとともに、さらに抜本的な経営体制の見直しを検討し実行いたします」と説明した。同社の社員がトラブルに関与していたのか、という質問には依然否定した。
テレビカメラ約30台と400人以上の記者が参加し、10分間のディレイで中継された。多数の質問が飛び、プライバシー観点の保護から答えられない旨が告げられると「答えましょうよ!」「真実を言うべきだ」「会見がぬるすぎる」など開始約30分で怒号が飛んだ。開始5時間がたっても、記者から質問が絶えず、登壇者に向けて「休憩入れますか?」など問いかけられたほか、記者同士で「うるさいよ!」と言い合うなど、混沌(こんとん)としていた。
◆近年の長丁場会見
<吉本興業の闇営業問題>19年7月、吉本興業の岡本昭彦社長(当時)が雨上がり決死隊宮迫博之や、ロンドンブーツ1号2号田村亮らによる詐欺グループを相手にした闇営業問題をめぐり、記者会見を実施。約300人の報道陣が参加し、1度休憩をはさんでのロングラン。5時間30分を要した。はぐらかす回答も多く、記者が何度も質問するシーンも多かった。
<旧ジャニーズ事務所創業者による性加害問題> 23年9月、外部専門家による「再発防止特別チーム」の調査報告書や提言を受け、今後の対応に関する記者会見を実施。ジャニー喜多川氏(19年に死去)による性加害の事実を事務所として認めた。前社長の藤島ジュリー景子氏(57)や新社長に就任した東山紀之(56)らが謝罪した。東山は「鬼畜の所業」「人類史上最も愚かな事件」と厳しい言葉を使い、タレント業引退も表明。4時間12分におよんだ。