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【高校サッカー】前橋育英GK藤原優希PK戦2度止め「歴史を変えられた」7大会ぶり2度目制覇


全国高校サッカー選手権の決勝で、前橋育英は流通経大柏をPK戦で破り、7大会ぶり2度目の優勝を果たしました。この試合は決勝史上最長となるPK10人目までもつれ込みました。前橋育英は0-1からMF柴野快仁の得点で同点に追いつき、最後はPKで勝利を収めました。昨年の高校総体での苦い経験を糧に、厳しい練習を重ねた結果、藤原優希の活躍でチームの歴史を塗り替えることができました。主将の石井陽のリーダーシップとチームの団結が、今回の優勝の原動力となりました。

前橋育英対流通経大柏 優勝を果たし笑顔をみせる前橋育英GK藤原(撮影・横山健太)

<全国高校サッカー選手権:前橋育英1-1(9 PK 8)流通経大柏>◇13日◇決勝◇国立

<サッカー全国高校選手権:前橋育英1(9PK8)1流通経大柏>◇最終日◇13日◇決勝◇東京・国立競技場◇観衆5万8347人

前橋育英(群馬)が延長、PK戦の末に流通経大柏(千葉)を破り、7大会ぶり2度目の優勝を手にした。決勝史上最長のPK10人目までもつれる熱戦。0-1の前半31分に同点弾を決めたMF柴野快仁(2年)が最後もネットを揺らし、決着した。県6連覇中だった昨夏の高校総体は、県予選準決勝でPK敗退。屈辱からMF石井陽主将(3年)を中心に言動を変え、どん底から雑草魂で頂点へはい上がった。

     ◇     ◇     ◇

歴史に残る名勝負だった。球際と球際、意地と意地のぶつかり合い。延長戦でも決着がつかず、勝負は決勝で4度目となるPK戦へ。前橋育英GK藤原優希(3年)は、主将の石井からPK戦前に「頼んだぞ」と赤い主将マークを託され、左腕に巻いた。PK戦になった2回戦の愛工大名電(愛知)戦と同じように。

2回戦は5人目で相手に決められたら終了…の絶体絶命のピンチから、相手のミスで命拾いをしていた。今回は10人目までもつれる展開で藤原が2度止めた。「名電戦は全然当たっていなかったけど、そこから毎日PK練習をしていてタイミングはバッチリだった。今回は負ける気がしなくて、自分がヒーローになると思っていた。チームの歴史を変えられてうれしい」と喜びを爆発させた。

昨年6月、チームはどん底にいた。群馬県では「常勝チーム」も、高校総体県予選の準決勝で、共愛学園にPK戦で敗れ、7連覇を逃した。石井主将は山田耕介監督(65)から「自分に非があるか、周りに聞いてみろ」と言われ、選手ミーティングで恥をしのんで自身の改善点を聞いた。各選手から出た「厳しい声だけじゃなくて、褒める言葉もかけてほしい」との声をしっかりと受け止めた。

主将就任に際し、2学年上の主将で、夏の総体を制したMF徳永涼(現筑波大2年)の背中を見て「嫌われ者になってもいいから厳しい主将に」と決めていた。仲間のミスや球際の甘さを厳しく叱責(しっせき)してきたが、仲間の言葉で「自分がチームの雰囲気を崩していた」と猛省。以降、エースFWオノノジュ慶吏(3年)が好機を外しても「次決めればいい」など前向きな言葉に変えた。明るい雰囲気が生まれ、横と縦の絆が深まり「2年前とは選手の性格も違う。自分なりの主将のやり方を探して、学年の壁も取り払えた」と振り返る。

7大会前はDF渡辺泰基(現J1横浜)、DF松田陸(現J2千葉)が高卒でプロ入りし、DF角田涼太朗(現ベルギー1部コルトレイク)らも大学経由でプロへ進んだ。今回はスターはいない。それでも、全国の頂点に立った。「2学年上の先輩も、高校総体で全国優勝して、優勝候補の中で(選手権は)負けてしまった。監督はよく慢心するな、と言いますが、自分たちは夏に負けて慢心がなかった。下からはい上がって、雑草魂があったからこそ、今回、こういう結果になったのかな」。今大会4得点のオノノジュも「夏に負けて、そこから毎試合、全国大会の気持ちで戦ってきた」と胸を張る。悔しさからはい上がった「上州の虎」が強さを増し、全国の強豪に食らいついた日本一だ。【岩田千代巳】

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