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【高校サッカー】静岡学園、内容圧倒も8度目「PKの呪縛」に涙「自分たちを超えて」全国Vへ課題明確


静岡学園は全国高校サッカー選手権準々決勝で東福岡にPK戦で惜敗。試合は0-0で終え、PK戦で4-5で敗れました。過去5年間の県勢に続き、静岡学園もPK戦で敗退する結果となりました。静岡学園は試合を通じて優勢にプレーし、シュート数でも8-1と圧倒したものの、堅守を貫く相手を崩すことができませんでした。特に主将の野田裕人とフォワードの乾皓洋がPK戦で失敗し、敗北に繋がりました。野田主将は試合後「自分たちを超えるチームを」と後輩たちに期待を託し、新たな挑戦の開始を誓いました。

静岡学園対東福岡 敗退し悔しがる静岡学園の選手たち(撮影・鈴木正人)

<全国高校サッカー選手権:東福岡0(5PK4)0静岡学園>◇4日◇準々決勝◇U等々力

またしても「PKの呪縛」に泣いた。静岡学園は0-0からのPK戦の末に4-5で東福岡に敗れた。終始ボールを握りながらも、今大会無失点を続けていた相手の堅守に苦戦。被シュート1本で迎えたPK戦でJ1川崎F入り内定のDF野田裕人主将(3年)と県選手権得点王のFW乾皓洋(3年)が失敗した。5大会ぶりの全国制覇を狙った挑戦はベスト8で終わり、県勢にとっても5年連続でPK戦での敗退となった。

   ◇   ◇   ◇

悲劇は、またも繰り返された。静岡学園は2大会連続でPK負け。試合内容では相手を圧倒し、シュート数も8-1と、ピンチすらなかった。ただ、サッカーに判定勝ちはない。PK戦では野田と乾がゴールの枠を大きく外した。主将とエースが失敗。川口修監督(51)は「我々の技術より相手のブロックが上回った。攻撃の強度、アイデア、テクニックが足りなかっただけ」と敗戦を受け入れた。

攻めてもはね返され、不穏な空気が漂った。前半16分、右サイドを突破した野田のクロスから決定機を作った。後半は初戦から3戦連発のMF篠塚怜音(2年)を投入。ベンチスタートの乾も同時に入れて打開策を探った。指揮官は「後半勝負と考えていた」。一方で、想定外の展開を強いられたチームは動揺もした。

篠塚は「ここまで引いてくると思わなかった」。後半、今大会無失点の堅守を誇り、中央を固めた東福岡を崩せず、サイド攻撃に終始した。追加タイムにはロングボールで強引にこじ開け、MF天野太陽(3年)が右足で狙ったが、シュートはわずかに枠を外れた。

3度の優勝を誇る東福岡とは、今季の高円宮杯U-18プレミアリーグ西地区で2戦未勝利(1分け1敗)だった。3度目の対戦となったこの日も含めて3戦無得点。最後の冬まで牙城を崩せなかった。3年生DF鵜沢浬(かいり)も「明らかにPK狙いの戦いをされてしまった」と悔やんだ。

全国選手権は通算15回目の出場で、PK戦での敗退は今回が8度目。今大会は4戦無失点、許したシュートも4試合で計10本と圧倒的な強さを誇ったまま、終戦した。春先はプレミアで5連敗と、どん底からのスタート。8強入りした今夏の全国総体で自信を深め、冬の大舞台に挑んだ。指揮官は「監督になってから、ここまで成長したチームはなかった」。最後はねぎらったほど好チームだった。

県勢代表校にとっては5年連続「PK負け」となった。全国制覇への課題は明確になっている。野田は「伝えるべきことを伝えてきたつもり。来年こそは自分たちを超えてほしい」。不完全燃焼に終わった思いを受け継ぎ、静学の新たな挑戦が始まる。【神谷亮磨】

〇…川崎F内定の野田が、卒業後の本拠となるU等々力で涙をのんだ。PK戦では4人目のキッカーを務めたが、シュートはゴール上に大きく外れた。試合後は「浮いちゃいました」とうつむいた。主将を務めた1年間は2度の負傷で約8カ月間も離脱。今大会前に完全復活し「日本一を取るために自分が引っ張っていくつもりだった」と強い決意で臨んでいた。2年連続PK敗退と、今季からの「ホーム」で苦い記憶が刻まれたが「自分が活躍する姿を皆に見せるしかない。この経験を忘れず強くなりたい」と顔を上げた。

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