新球マスターで日本記録更新を狙う。日本ハム福田俊投手(28)が今オフ、シュートの会得を目指す。昨季は球団記録に並ぶ29試合連続無失点を記録も、今季は1軍登板2試合と激減。雪辱の25年に向け、チーム内の左腕に同タイプのいない新球種を手に入れ、首脳陣にアピールして、あと8試合に迫る連続無失点日本記録を見据える。
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新たな魅力をつけ、出番を増やす。悔しい24年を福田は「うまくいってなさすぎました」と振り返った。1軍登板は4月の2試合のみ。「6月ぐらいまで普通に良かったんですけど1回状態が悪くなった時に…早く戻さなきゃじゃないですけど、状態が上がってこず…焦りました」。好調なチームの裏で、歯がゆさだけが残った。
雪辱の来季へ武器を増やす。「うちの左腕にいないようなスタイルでやろうかな」と思い立ったのがシュートの会得だ。直球がナチュラルシュート気味だったこともあり挑戦。400ホールドの鉄腕宮西、最優秀中継ぎの河野、堀が用いない球種を加え、自身の特長を際立たせる。
秋のフェニックスリーグですでに試投している。金子2軍投手コーチからも「面白い」と後押しを受け、本腰入れて取り組みだした。「ツーシームの感覚で投げる練習から始めて、最近違った軌道になりつつある」という新兵器を引っ提げ見据えるのは、日本記録だ。今季は2試合しか登板できなかったが、どちらも無失点。22年最終登板からシーズンをまたぎ32試合連続無失点中だ。「間が空いちゃいましたけど続けていきたいですね。年間通して投げたい」と、西武平良が持つ日本記録(39試合)超えを思い描いた。
チームは6年ぶりのCS進出も、自身は蚊帳の外。「チームが勝つのはいいことなんですが、心の底から喜べていない。自分は何もやっていないので」。復活を期す道産子左腕が、背水のシーズンへ準備を整える。【永野高輔】
◆連続試合無失点 福田は、22年の最終登板と、23年の全29試合で無失点を継続。さらに24年も2試合無失点で、現在32試合連続無失点を継続中。プロ野球記録は21年3月26日オリックス戦~7月1日ソフトバンク戦まで39試合連続無失点だった西武平良。