<中村憲剛引退試合>◇14日◇Uvanceとどろきスタジアム
元日本代表MF中村憲剛(44)の引退試合が盛大に行われた。2020年度、21年元日の天皇杯決勝をもって現役引退した川崎フロンターレのレジェンド。クラブの象徴、クラブそのものといえる唯一無二の存在。最高の舞台が用意された。
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前座の試合には中村が幼少期から憧れていた元日本代表MFラモス瑠偉(67)が出場した。
最年長ながら、ピッチで圧倒的な存在感を発揮。衰えない技術とグランドを力強く走る姿で会場を盛り上げた。試合後「一緒にピッチに立てて、こういう機会を与えてくれてすごく感謝。一緒にボール蹴られただけでうれしかった。現役の時一緒にやりたかった選手の1人。実現できたのはすごくうれしかった」と満足げに振り返った。
ピッチ上で大ハッスルをみせたが、「全然ダメです。もう年です…」とらしくない弱気コメント。約3週間前に座骨神経を痛めたといい「座るだけでめちゃくちゃいたい」。それでも後輩のために奮起した。「憲剛にリスペクトで、恥かかせたくないから。サポーターやマスコミの皆さんに『おじさんやめろ』とまだまだ言わせないぞ」と踏ん張った。
自身に憧れて代表選手まで駆け上がった中村は、お気に入りの選手だったという。「素晴らしかった。技術だけでなく視野の広さ。代表入った時に一瞬で試合の流れをワンタッチ、ツータッチで試合の流れを変える力があった。あとは縦のボールが日本人でナンバーワンじゃないかな。縦のボール入れるのは天下一品。そういうところ好きだった」と絶賛した。
前座試合で、中村、中村の長男、澤穂希と中盤を結成したシーンは特別な思いがあった。「最後の方、澤と息子さんと一緒にやれて最高のクリスマスプレゼントを憲剛からいただきました」と感謝した。