元プロ野球選手でタレント長嶋一茂(58)は20日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜午前8時)に出演し、19日に98歳で亡くなった読売新聞グループ本社代表取締役主筆の渡辺恒雄さんを、しのんだ。「1つだけ思い出話をさせていただく」として、父の長嶋茂雄・巨人終身名誉監督(88)をめぐる渡辺さんとの思い出を口にした。
番組では、かって一茂が渡辺さんにインタビューした際の映像を含め、ありし日の渡辺さんのさまざまな側面を報じた。一茂は「本当に感謝しかないです」と述べた上で、2004年に長嶋氏が脳梗塞で倒れた際の出来事に触れた。当時、長嶋氏は同年のアテネオリンピック(五輪)の野球代表監督に就任していたが、一茂は「2004年に、長嶋茂雄が脳梗塞で倒れたんですね。父が、アテネ五輪の指揮を執ることが決まっていたが、倒れた直後くらいに、ある人物が、長嶋以外の人間を監督にしようと画策した人間がいたんです」と明かした。
「僕はそれを聞いて、今後、父にそんなことが耳に入ると、病気を治すというモチベーションに関わる。倒れたのは3月ですが、8月にアテネオリンピックだったんですが、そこまでになんとか行きたいということを、僕は父から聞いていた。そのことを断固として反対しにいかないといけないと思って読売本社に行ったのが、初めて主筆とお会いした場だったんです」と、父親に関する「直訴」が、渡辺さんとの初対面だったとも述べた。
一茂は「その時、ある方が(代表監督は)星野(仙一)さんにしようということで動いていたのを、僕は聞いていた。主筆、それはいかがなものでしょうかと。僕は家族として絶対許せない、そういうことを画策している人間は許せませんと伝えた。それから3時間後に電話がかかってきて、『そういうことは、けしてないから』ということを言われた。そこは本当にすごく感謝している」と、口にした。
「その後、残念ながら父はアテネの地を踏むことはなかったのですが、そういうところからお付き合いが始まって、何度かいろんなお話をさせていただいた」と振り返り、渡辺さんについて「テレビもですが、日本の歴史というのは真実というものがなかなか明るみに出ないのですが(渡辺さんは)真実の部分をたくさん知っている、というところの最後の方」と述べた。
一茂はコメントの最後に「長嶋家が今あるのは主筆のおかげですので、心からご冥福をお祈り申し上げたいと思います。主筆、本当にありがとうございました」と、スタジオの上を見ながら追悼した。
番組MCのフリーアナウンサー羽鳥慎一は「長嶋家とのつながりというのは、本当に特別なんでしょうね…」と口にしていた。