タイガース前田健太投手(36)と20、21年にレッズでプレーした広島秋山翔吾外野手(36)が6日、ピッチクロックなど、23年からメジャーで採用されているルールに私見を述べた。
秋山がパーソナリティーを務めるラジオ文化放送の年始特番「秋山翔吾の打って守ってしゃべります」(25年1月3日午後2時半~)の収録に、前田がゲスト出演。収録後に取材に応じた。
来季メジャー10年目を迎える前田は、実際にピッチクロックやけん制球の制限、ベース拡大の新ルール下でプレーしている。「慣れればそこまで問題はなくなる。試合が早く終わるのは良いことではある」と試合時間の短縮には前向き。NPBでの採用については「国際大会の1カ月前から準備したら対応できる。ただ、けん制が2回しかできなくて盗塁が増えたり、試合の進め方が変わっているので、(MLBと)全部同じにする必要はない」と、状況に応じた導入を提言した。
前田は11月23日、東京ドームで行われたプレミア12の日本-台湾戦を解説。楽天早川がピッチクロックに苦戦し、5回途中で7四球を与えた。前田は「ピッチクロックの(タイマーの)数が少ない。アメリカだと何も気にしなくても目に入るところにいっぱいある。見えづらいところにたくさん置かれている」と、日本の球場における課題を説明した。
新ルール適用前のMLBでプレーした秋山も「国際大会があるからルールを変えるというよりは、ファンに見てもらいやすくなるとか、層が増えるということを考えた上で、必要なことであれば対応することは興行として必要」と導入には肯定的。だが、一方で「味気なくなるような改革にはなって欲しくない」と留意点も語った。
大リーグ機構は10月1日、平均観客動員数が23年から0・9%増加し、2年連続の上昇となったことを発表。新ルール適用直後の23年には、1試合の平均時間が22年より23分短縮され、平均観客動員数は9・6%増加した。
26年に開催されるWBCでもピッチクロックは採用される可能性が高く、NPBでプレーする選手は対応が求められる。【黒須亮】