12月に入り、メジャーリーグはストーブリーグ真っ盛りです。
9~11日にはテキサス州ダラスでウインターミーティングが開催します。既にドジャースも、2年連続世界一へ向けて戦力補強を行っています。
今オフ、ドジャースにとって最重要課題は、先発投手陣です。今年は4年ぶり8度目の世界一となりましたが、多くのけが人を出し、2年続けてシーズンを通して活躍した先発投手が1人もいませんでした。また、規定投球回に到達した投手もいませんでした。
そこで、早速ジャイアンツからFAとなった、先発ブレーク・スネルと5年1億8200万ドル(約282億円)で契約しました。昨年メジャー史上7人目の両リーグでサイ・ヤング賞に輝いた強力左腕です。今年は初のノーヒットノーランも達成しました。
これで来季は投打の二刀流復帰を目指す大谷翔平を筆頭にスネル、山本由伸、タイラー・グラスノーの先発4本柱が確立しました。さらにFAで契約を結び直すとみられるクレイトン・カーショー、トニー・ゴンソリン、ダスティン・メイ、ボビー・ミラーと先発候補は合計8人。他にも若手のランドン・ナックらがいます。
それでも、さらに先発投手層を厚くする構想があります。なぜならウォーカー・ビューラー、ジャック・フラーティの2人がFAとなり、大谷、カーショー、ゴンソリン、メイはいずれもけがからの復帰。はたして、シーズンを通して投げられるか、多少なりとも不安があるからです。
それと今年がメジャー1年目の山本由伸は、18試合すべて中5日以上空けての登板でした。開幕投手を務めたグラスノーは、9年目のシーズンも完走できませんでした。そこで日本人投手への対応やけがの防止、若手の酷使回避などを踏まえて、来季は先発6人ローテーションを敷く可能性も出ているからです。
今後はドジャースが移籍先の最有力候補に挙がっている佐々木朗希投手、ホワイトソックスの若き先発左腕ギャレット・クロシェットらに照準を合わせる模様です。もし佐々木を獲得できれば、先発に日本人投手が3人となり、なおさら6人で回す可能性が高まって来ます。
一方、救援投手陣ではブレーク・トライネン、ジョー・ケリーがFAとなりました。そのうち、2年ぶりに復帰した36歳のベテラン、トライネンとは再契約したいところ。同じ36歳で大谷に背番号17を譲ったことでも有名なケリーは、けがも多く、再契約が微妙。先発陣の状況次第では、メイがリリーフに回る選択肢もあります。
攻撃陣で気になるのがテオスカー・ヘルナンデス外野手の去就です。今季ドジャース1年目に自己最多の33本塁打を放つなど、チームの世界一に大きく貢献。今オフにFAとなりましたが、32歳のベテランはチームとの再契約を熱望。多くのファンも、チーム残留を強く望んでいます。
ただし、今年チームの平均年齢は30球団中2番目に高い30.4歳。常にチームが優勝争いするには、年に1~2人のベテランを外す必要があるため、ヤンキースからFAとなった26歳のフアン・ソト外野手にオファーを提示したとも報道されました。条件的にソト獲得の可能性は低そうですが、契約の行方が注目されます。
ムーキー・ベッツ外野手の内野再転向案があり、来季センターに定着予定のトミー・エドマンと5年7400万ドル(約115億円)で契約延長となりました。ベテランのミゲル・ロハスを控え内野手に戻す構想もあり、強打のウィリー・アダメス遊撃手(ブルワーズFA)獲得のうわさが出ています。
はたして、今世紀メジャー初の2年連続世界一を目指すドジャースが、どんな補強を続けるか。さらに本格化するストーブリーグから目が離せません。
【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)